チャット小説サイト運営のtaskeyがWebtoon事業に参入 アカツキ、and factory、コルクとも協業

2021年11月10日

 

 e-Storyサービス「peep(ピープ)」を手がけるtaskeyは11月4日、スマホ最適化した縦スクロールカラーコミック「Webtoon(ウェブトゥーン)」事業を行う自社スタジオ「taskey STUDIO」を設立したと発表。グローバル市場で近年急激な盛り上がりをみせるWebtoon事業へ参入する。また、アカツキ、and factory、コルクの3社とWebtoonの原作提供、制作など多岐にわたって協業を行う。

 

 peepは小説をチャット形式で展開する「e-Srotyサービス」として2017年12月にリリース。2019年にはGoogleベスト・オブ2019を受賞。2021年5月には300万ダウンロードを突破し、ヒット作品の読者数は累計100万人以上。大手出版社と共に連載作品の漫画化や書籍化、コンテストの開催などを行っている。

 

 また、peepはプロの作家が手がけたオリジナル作品も配信しており、今年10月時点で2000作品を保有。今年9月にはUS版アプリの配信をスタートし、グローバルに展開している。

 

 同社は、今年6月に中国Tencentグループからの大型の資金調達を経て、事業拡大に向けてWebtoon事業参入の検討を開始。peepで培ってきた新規IPを生み出すプロデュース力、編集力を基盤に、日本からグローバルなWebtoonを多数輩出する未来を作っていくため、制作スタジオ「taskey STUDIO」を設立した。

 

 また、peepのコンテンツであるe-Srotyは、Z世代をターゲットに、チャット形式のテンポ感を意識したストーリー展開が特徴。Webtoonも縦スクロールのテンポ感が重要と言われており、両者の親和性が高いことも決め手となった。

 

 同スタジオでは、peepで提供しているオリジナルコンテンツを基軸に、原作の提供及び自社スタジオ制作を行う。同アプリ上でオリジナルWebtoonなどの掲載も予定。

 

 同社代表取締役・CEOである大石ロミー氏は「今世界をターゲットにするのであればWebtoon。明日世界でスターになれる可能性のある市場が開けている」とコメント。同社編集長の浜隼人氏は「Webtoonというまったく新しい創作形態の中で、どんなメガヒットが生まれるのか。そして、それをつくれる可能性にワクワクしている」と期待を述べた。同スタジオ設立に関する2人のインタビューはnoteで読むことができる。

 

代表取締役・CEO 大石氏(右)と編集長・浜氏

 

拡大するWebtoon市場

 

 Webtoonは、韓国発祥のフルカラー・縦スクロールのコミック。スマホに最適化され、日本をはじめ、中国・東南アジア・インド・アメリカ・ヨーロッパなどで展開されており、急速な盛り上がりを見せている。

 

 近年はWebtoonが実写ドラマ化されるケースも増え、日本でも大流行した「梨泰院クラス」や、NETFLIX配信で世界的ヒットとなった「Sweet Home〜俺と世界の絶望〜」など、Webtoon発IPコンテンツのグローバル展開の例が多い。グローバルでの市場規模は約7兆ウォン(約6700億円)と言われている。

 

 同社ではスタジオ設立に当たって各種クリエイターの募集を開始。専用フォームから応募できる。Webtoonクリエイター(キャラクターデザイン、ネーム、作画、着彩、背景、効果など)、アートディレクターWebtoonプロデューサー(編集者)