有隣堂 YouTubeチャンネル「有隣堂しか知らない世界」が登録者数10万人突破

2021年11月1日

(左から)有隣堂経営企画本部広報・秘書室の市川紀子氏、渡邉郁氏、渡邊恭氏、鈴木宏昭氏、馬淵基季氏とブッコロー(中央)

 

 有隣堂が運営している公式YouTubeチャンネル「有隣堂しか知らない世界」のチャンネル登録者数が10月19日、チャンネル開設から477日目にして10万人を突破した。節目の目標であった10万人突破を記念し、ファンから熱い要望が寄せられていた、同チャンネルのオリジナルキャラクター「R.B.ブッコロー」のオリジナルグッズ販売を開始する。

 

 同社の公式YouTubeチャンネルは、従来のままではなく何か新しい挑戦をしなければいけないという危機感の中で、同社・松信健太郎代表取締役社長の「動画はこれから伸びるコンテンツ。やってみよう!」という社命のもと、2019年末からプロジェクトが開始。

 

 開設当初から、一切の裁量が運営チームに任され、現場で試行錯誤を重ねながら運営を続けてきた。3カ月のテスト期間を経て、同社と以前から繋がりのあった外部の動画クリエイターを招き、現在のスタイルである「有隣堂しか知らない世界」の企画がまとまり、20年6月30日に第1回目の配信がスタート。毎週火曜更新で継続的にコンテンツを発信している。

 

自信持って続けて人気が爆発

 

 動画のコンセプトは初回から大きく変わっていないが、チャンネル開設からすぐに再生数や登録者が伸びたわけではなかった。その中でも、地道にチャンネル登録者数を増やす活動を続け、他社やYouTuberとのコラボも実施し、視聴者層を広げてきた。

 

 我慢の期間を乗り越えられたのも、自分たちの作っているコンテンツが面白いという手応え、自信があったからだという。動画のコメント欄や、公式Twitterに寄せられるコメントにも欠かさず反応、返信し、交流を続けることで、コミュニティを成長。

 

 そして、21年2月にWebメディアの「ねとらぼ」に取り上げられたことで、登録者数が急増。その後も記事化や、動画のバズで視聴者数は急増し、今回の結果につながった。すぐには結果が出なかった時期も、停滞することはなく、常に数値が上がっていくことで、モチベーションは高いままだったという。

 

社外と連携しクオリティ強化

 

 同社チャンネルの特徴は、動画コンテンツ制作、そして活用のノウハウを持つ社外のプロクリエイターと連携して、有隣堂の強みを何倍にも強化していることだ。

 

 社外スタッフは撮影、編集も担当するプロデューサーと、ブッコローの中の人の2人が参加。社内では、経営企画本部広報・秘書室のメンバー5人が参加し、全員でコミュニケーションを取り合いながら、企画、収録、配信までをチームで運営している。

 

 企画内容については、社長チェックは無く、基本的には全て「有隣堂しか知らない世界」チーム内で判断。そのため、純粋に面白いものを追求しつつも、アウトにならない境界線を見極める。

 

 動画編集にはプロデューサーの手腕が惜しみなく発揮されており、本好きや普段から書店に来る人ではなく、YouTubeの視聴者に向けた動画制作を心掛けているという。企画アイデアはTV番組「マツコの知らない世界」をモデルに、有隣堂社員の偏愛的熱量へ、視聴者に受け入れられ、共感の目線となるぬいぐるみのキャラクター、そしてYouTubeで視聴されやすい動画のテンポ感や編集のメソッドを掛け合わせることで、有隣堂の魅力を何倍にも増幅しつつ、クオリティ高く、エンターテインメント性を重視したコンテンツを生み出している。

 

オリジナルキャラグッズの販売開始

 

 およそ書店の公式チャンネルとは思えない、商売気を排した番組MC「R.B.ブッコロー」のキャラクターも人気を博している。ファンから毒舌とも評される歯に衣着せぬ物言いは、中の人曰く「素直さ」の表れ。肩の力を抜いて、素のままの感情を出しているからこそ視聴者にも共感し、面白がってもらえているのだろうと話す。

 

 ブッコローのキャラクターは企画当初から、グッズ展開も視野に入れた広がりを想定し、特注のぬいぐるみも用意した。今回、ファン待望のオリジナルグッズの販売を開始。イラスト入りボールペンとぬいぐるみをECサイト「有隣堂PayPayモール店」にて先行販売。一部店頭でも年内に販売開始を予定している。

 

 少し背伸びした目標を立て、一つ一つ着実に達成し、今回大きな目標を達成した「有隣堂しか知らない世界」。今後も、アナリティクスを注視し、視聴者を飽きさせない知的好奇心を刺激するコンテンツを発信しながら、さらに同チャンネルで紹介する商品やオリジナルグッズを、ECと連動し、リアル店舗での展開を強化していくという。