毎日新聞社など主催 東京都美術館で吉田博展

2021年2月3日

「没後70年 吉田博展」で作品を鑑賞する来場者

 

 明治・大正・昭和にかけて風景画の第一人者として活躍し、版画家として新たな境地を切り開いた吉田博(1876~1950年)の企画展「没後70年 吉田博展」(毎日新聞社など主催)が1月26日、東京都美術館(東京都台東区)で開幕した。3月28日まで。


 福岡県久留米市に生まれた吉田は、若くから洋画修業を開始。17歳で上京すると、小山正太郎が率いる画塾、不同舎に入門し、「絵の鬼」と呼ばれるほど精力的に制作に励んだ。さらに何度もの海外体験を通じて東西の芸術作法を見つめ、自身の技に磨きをかけた。


 水彩、油彩の分野で才能を発揮していた吉田が木版画を始めたのは49歳の時。西洋画の微妙な陰影を版画で表現しようという前代未聞の挑戦で、水の流れや光の移ろいなどを驚くほど繊細に描くことに成功した。


 本展は吉田が後半生に力を注いだ木版画約200点を中心に紹介している。英国の故ダイアナ妃が執務室に飾っていた「光る海」をはじめ、雄大な日本アルプスを描いた「劔山(つるぎさん)の朝」など「超絶技巧」と評される作品が並ぶほか、版木や写生帖(ちょう)なども展示している。


▼図録などサイトで販売
 公式図録とオリジナルグッズを販売している。図録はB5変型判。1冊2200円(税込み)。グッズは本展のために製作したトートバッグ、マスクケース、A5ノートなど。会場のほか通販サイト「まいにち書房」(https://www.mainichi.store/)でも一部販売する。送料別。


▼3月28日まで
 〈会期〉3月28日まで。月曜休。午前9時半~午後5時半。会期中一部展示替えあり。
 〈観覧料〉一般1600円、大学・専門学校生1300円、高校生800円、65歳以上1000円、中学生以下無料。チケットは公式ウェブサイト(https://yoshida-exhn.jp/tokyo/)、イープラスなどで。問い合わせは03・5777・8600。


 ※新型コロナウイルス感染症対策のため、開催内容を変更する場合がある(最新情報は上記サイトに掲載)。


 主催=公益財団法人東京都歴史文化財団東京都美術館、毎日新聞社、日本経済新聞社
 協賛=トヨタ自動車、ニューカラー写真印刷