雑誌配送ルール見直しは前提に
かつて雑誌が全盛だった頃、書店組合の総会などで雑誌の早売り問題が取り上げられた。週刊マンガ誌などを発売日前に販売する早売り店に、組合員が張り込み、配送しているトラックを尾行するといった、刑事ドラマまがいのことまであった。
雑誌は同一地区同時発売で発売日が設定されてきた。これを維持するために、「積み込み」といわれる時差出荷や、書店開店前に届ける深夜配送など、流通段階で複雑な工程がある。日本の出版流通が誇るべき緻密さであるのと同時に、他商材と混載して効率を上げるといった柔軟な対応を難しくさせてもいる。
取次協会はいよいよ発売日をはじめとした雑誌配送ルールの見直しに踏み込んだ。出版社側からはすでに反発の声も聞かれる。ただ、このルール見直しは雑誌市場縮小によって流通を維持できなくなった結果であり、それを前提に対策を考えるしかない。
もちろん、流通の特別対応が必要な場合もある。例えば、ドイツの取次は書籍の6時頃までの注文は翌日6時までに書店店内に届ける。ただし書店も配送費を負担する。サプライチェーン全体がコストを負担して顧客ニーズに対応しているともいえる。
こんな時に恐れるのは業界内の相互不信である。将来的な流通コストなどを共同で調べるなどして共有し、業界全体が同じ目線で検討を重ねてほしい。【星野渉】
