筑摩書房 三島由紀夫『命売ります』 加藤シゲアキ氏の帯に刷新

2021年2月8日

加藤シゲアキ氏の新帯

 

 筑摩書房は、1998年に刊行した三島由紀夫の『命売ります』( ちくま文庫) が累計発行部数32万部を突破したことを機に、NEWSの加藤シゲアキ氏のコメントと写真を掲載した帯に刷新。没後50年を迎えた昨年に続き、同書のさらなる売り伸ばしを図る。なお新帯は2月5日から随時、出荷している。

 

 「エンタメ性を保持したまま、文学的な作品が書けるようにならないと」と考えていた際に、『命売ります』を勧められたという加藤氏。20年11月に新潮社から出版した『オルタネート』は、惜しくも受賞を逃したものの、直木賞の候補作となり、さらに2021年の本屋大賞ノミネート作品に選出されるなど、文学界、出版業界から注目を集めている。

 

 三島作品の中でも異色作として知られる『命売ります』は、軽いタッチとスリリングな展開で、従来の純文学作家である三島由紀夫のイメージを覆す、エンターテインメント作品。筑摩書房は15年に「隠れた怪作小説発見!極上のエンタメ小説」という帯に巻き変えたところ、若年層を中心に支持され、同年だけで約22万部を増刷。さらに紀伊國屋書店新宿本店で文庫年間ランキング1位を獲得するなど、大きな話題を呼んだ。

 

□文庫判/272㌻/本体680円