紀伊國屋書店「キノベス!」と「じんぶん大賞」を発表

2019年12月26日

 紀伊國屋書店は12月26日、紀伊國屋書店のスタッフがすすめするベスト30「キノベス!2020」と「紀伊國屋じんぶん大賞2020 読者と選ぶ人文書ベスト30」を発表した。

 

 「キノベス!」は、過去1年間に出版された新刊(文庫化タイトル除く)を対象に、紀伊國屋書店のスタッフが「自分で読んでみて本当に面白い、ぜひ読んでほしい本を選び、お客様におすすめしよう」という企画。03年に始まった。今年は16人の選考委員が全スタッフから公募した推薦コメントからベスト30を決定した。

 

 「キノベス!2020」フェアは、20年2月1日から、全国の紀伊國屋書店で開催予定。スタッフが各作品に寄せたコメントを掲載した小冊子を店頭にて配布する。

 

 一方、「紀伊國屋じんぶん大賞2020」は一般読者からのアンケートを元に、出版社、紀伊國屋書店社員による推薦を加味して事務局で集計、ベスト30を選定した。対象となる「人文書」は、「哲学・思想、心理、宗教、歴史、社会、教育学、批評・評論」のジャンルに該当する書籍(文庫・新書も可)。

 

 10回目を迎えた今回は、18年12月~19年11月に刊行(店頭発売日基準)された人文書を対象に、19年11月1日~12月10日の期間に読者からアンケートを募った。

 

 「紀伊國屋じんぶん大賞2020」フェアは20年2月1日から開催予定です。選考委員と読者からの推薦コメントを掲載した小冊子を店頭にて配布する。

 


 

◆キノベス!2020

 紀伊國屋書店スタッフが全力でおすすめするベスト30

 

1位『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディみかこ(新潮社)

2位『むかしむかしあるところに、死体がありました。』青柳碧人(双葉社)

3位『ノースライト』横山秀夫(新潮社)

4位『三体』劉慈欣(早川書房)

5位『こども六法』山崎聡一郎(弘文堂)

6位『線は、僕を描く』砥上裕將(講談社)

7位『流浪の月』凪良ゆう(東京創元社)

8位『FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』 ハンス・ロスリング(日経BP社)

9位『ケーキの切れない非行少年たち』宮口幸治(新潮社)

10位『ライオンのおやつ』小川糸(ポプラ社)

11位『medium[メディウム] 霊媒探偵城塚翡翠』相沢沙呼(講談社)

12位『82年生まれ、キム・ジヨン』チョ・ナムジュ(筑摩書房)

13位『罪の轍』奥田英朗(新潮社)

14位『ころべばいいのに』ヨシタケシンスケ(ブロンズ新社)

15位『いつかの岸辺に跳ねていく』加納朋子(幻冬舎)

16位『あなたがひとりで生きていく時に知っておいてほしいこと ひとり暮らしの智恵と技術』辰巳渚(文藝春秋)

17位『生命式』村田沙耶香(河出書房新社)

18位『お砂糖とスパイスと爆発的な何か 不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門』北村紗衣(書肆侃侃房)

19位『十二国記 白銀の墟 玄の月』小野不由美(新潮社)

20位『店長がバカすぎて』早見和真(角川春樹事務所)

21位『神様の暇つぶし』千早茜(文藝春秋)

22位『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』大島真寿美(文藝春秋)

23位『ザ・ロイヤルファミリー』早見和真(新潮社)

24位『死にがいを求めて生きているの』朝井リョウ(中央公論新社)

25位『夢中さ、きみに。』和山やま(KADOKAWA)

26位『SPY×FAMILY』遠藤達哉(集英社)

27位『平場の月』朝倉かすみ(光文社)

28位『いけない』道尾秀介(文藝春秋)

29位『レンタルなんもしない人のなんもしなかった話』レンタルなんもしない人(晶文社)

30位『熱源』川越宗一(文藝春秋)

 


 

◆紀伊國屋じんぶん大賞2020 読者と選ぶ人文書ベスト30

 

1位『居るのはつらいよ――ケアとセラピーについての覚書』東畑開人(医学書院)

2位『「差別はいけない」とみんないうけれど。』綿野恵太(平凡社)

3位『在野研究ビギナーズ――勝手にはじめる研究生活』 荒木優太(明石書店)

4位『お砂糖とスパイスと爆発的な何か 不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門』北村紗衣(書肆侃侃房)

5位『チョンキンマンションのボスは知っている――アングラ経済の人類学』小川さやか(春秋社)

6位『新記号論 脳とメディアが出会うとき』石田英敬/東浩紀 (ゲンロン)

7位『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディみかこ(新潮社)

8位『記憶する体』伊藤亜紗(春秋社)

9位『「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけ    て紹介する本』山下泰平(柏書房)

10位『急に具合が悪くなる』宮野真生子/磯野真穂(晶文社)

11位『天然知能』郡司ペギオ幸夫(講談社)

12位『数学の贈り物』森田真生(ミシマ社)

13位『レンマ学』中沢新一(講談社)

14位『吉田健一ふたたび』川本直/樫原辰郎(冨山房インターナショナル)

15位『文化人類学の思考法』松村圭一郎/中川理/石井美保(世界思想社)

16位『分解の哲学 腐敗と発酵をめぐる思考』藤原辰史(青土社)

17位『かたちは思考する 芸術制作の分析』平倉圭(東京大学出版会)

18位『ネット右派の歴史社会学 アンダーグラウンド平成史1990-2000年代』伊藤昌亮(青弓社)

19位『アリストテレス 生物学の創造』アルマン・マリー・ルロワ(みすず書房)

20位『時間は存在しない』カルロ・ロヴェッリ(NHK出版)

21位『西周と「哲学」の誕生』石井雅巳(堀之内出版)

22位『テーマパーク化する地球』東浩紀(ゲンロン)

23位『ニック・ランドと新反動主義 現代世界を覆う〈ダーク〉な思想』木澤佐登志(星海社)

24位『創造と狂気の歴史 プラトンからドゥルーズまで』松本卓也(講談社)

25位『食べたくなる本』三浦哲哉(みすず書房)

26位『日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学』小熊英二(講談社)

27位『海を撃つ 福島・広島・ベラルーシにて』安東量子(みすず書房)

28位『精神病理学私記』ハリー・スタック・サリヴァン(日本評論社)

29位『働く人のための感情資本論 パワハラ・メンタルヘルス・ライフハックの社会学』山田陽子(青土社)

30位『独ソ戦 絶滅戦争の惨禍』大木毅(岩波書店)