主婦と生活社 累計280万部の人気ラノベを文庫化 、「PASH!文庫」で市場参入

2023年1月30日

文庫判『くまクマ熊ベアー』

 

 主婦と生活社は、2月1日搬入の『くまクマ熊ベアー』(1~3巻・各初版部数1万部)の刊行を皮切りに、新たなレーベル「PASH!文庫」を創設し、ライトノベル文庫市場に参入する。

 『くまクマ熊ベアー』は2015年に同社が立ち上げた単行本レーベル「PASH!ブックス」の初期ラインアップの人気作品シリーズで、すでに19巻にまで達している。18年3月にはWEBサイト「コミックPASH!」のWEBでのコミカライズ、その後も紙版コミックと形態を変え、広く読者層に訴求してきた経緯がある。

 20 年10月にアニメ化されたことで、さらに多くのファンを取り込み、23年4月にアニメのセカンドシーズンが開始することを機に、ノベルズの文庫化に踏み切った。同作は単行本、コミック、電子書籍、電子コミック、そして今回の文庫化により、累計発行部数は280万部に達している。

 

文庫書き下ろし作品も予定

 

 「PASH!文庫」として、アニメのセカンドシーズン終了までに、『くまクマ熊ベアー』8巻までを刊行する。さらに文庫書き下ろし作品など、オリジナル作品も含め、月1点強のペースで年内に15点を発刊する予定で、また編集方針については、異世界ものやファンタジーに留まらず、歴史ものやダークファンタジーなど、魅力的な作品をオーバージャンルで刊行していく意向だ。

 「PASH!ブックス」設立により、ライトノベル市場に参入した同社だが、今回の文庫レーベルの創設により、これまで中心となっていた20~30代の若年層だけではなく、ティーン世代をはじめとした、新たな読者層の獲得を目指している。書店からも「安価になることで新規顧客の獲得につながる」、「1巻から出ることで、アニメで『くまクマ熊ベアー』を知った方も購入しやすい」などの声が寄せられている。

 また同社は、『くまクマ熊ベアー』のほかにも、アニメ化の話も控えているとしており、そのタイミングに合わせて、アニメ作品の声優のSNSなどと連携しつつ、動画広告なども発信するとともに、ツイッター上でのキャンペーン、アニメ枠のCMなども展開するなど、レーベルのブランディングとプロモーションを展開していく、と話している。