新聞協会 新聞知育ゲームで子どもたちの「集中力」「興味の幅」広がる

2020年10月28日

「しんぶんの“ワッ!”キャンペーン」

 

 日本新聞協会は10月15日、同協会などが開発した新聞(紙)を使った知育ゲーム「しんぶんち(新聞知)ゲーム」で、そのゲームを遊んでいるときの子どもたちの脳波を測定した結果を発表した。実験から「しんぶんちゲーム」を遊んでいる子どもたちの集中力は、開始前と比べて最大20%高まり、興味の幅も最大30%拡張したことが分かった。

 

 子どもの成長に不可欠な知性や能力として、思考力・判断力・表現力などがある。新聞はさまざまな分野の情報がぎっしりつまっていながら、安価な紙を用いたメディア。この特性を生かし、あらゆる側面から新聞を遊んでみようと作られたのが「しんぶんちゲーム」だ。

 

 例えば、新聞の記事を使って、自分だけの発想と表現で、おもしろさを競う「コミュニケーションゲーム」、新聞の記事の中から、すばやくかつ的確に言葉や写真を探し出す、速さを競う「スピードゲーム」などがある。

 

 ゲーム実施時の感性変化実験の結果によると、遊んでいるときはその前と比較して、「集中度(Concentration)」「興味度(Interest)」が高くなり、「ストレス度(Stress)」が低くなった。また、ゲームをすることで、脳が活性化し、かつポジティブに感じていることも分かった。

 

 「しんぶんちゲーム」を開発した鳥取大学の大谷直史准教授(コミュニケーション学)は、「子どもたちは自分の得意な力を使ってゲームを楽しむ一方、一緒に遊ぶ友人とのコミュニケーションの中で、苦手な分野にも楽しみながら取り組んでいる。これが興味関心の幅を広げているのではないか」と考察。

 

 さらに、知育に新聞を活用する利点について、「子どもたちにとって新聞は一見難しく感じるかもしれないが、ゲームを通じてストレスなく活字に触れるきっかけになる」と期待を寄せた。

 

ゲームに9種類を新たに追加

 

 なお、10月15日から始まる新聞週間の前には、これまで21種類だったたに9種類のゲームを追加した。30種類に増えた「しんぶんちゲーム」は、新聞協会の「しんぶんの〝ワッ!〟」キャンペーン特設サイトで、無料ダウンロードできる。