海外事情を得る体制を
先日開かれた第65回全出版人大会で採択された「大会声明」は、海外へのコンテンツ展開や、書店が増加している事例を挙げるなど、海外を意識させる内容だった。
大会声明を起草するのは毎回、大会委員長の役割だ。今回委員長を務めたのはマガジンハウス・鉄尾周一社長。同社の雑誌『POPEYE』などはアメリカをはじめとした海外で売れており、昨年は英語版を発行するなど、海外展開に力を入れる。
声明では国内の課題について「海外に目を向けてみることも、一つの転換点になる」と指摘。海外で広がりを見せる日本コンテンツの源流にあるのが出版物であると可能性を示す。
さらに、流通面でも会員数を増やし続け、日本の書店組合よりも多くなったアメリカの書店組合(ABA)の例を挙げ、その背景に「キュレーション」「コミュニティ」「コンビーニング」があるとするハーバード・ビジネス・スクールのラファエリ氏の論を引き、国内での可能性を示した。
ただ、制度や仕組みが異なる海外事情を正確に把握するためには、現地で直接話を聞く、そして複数の情報源に当たって検証することなどが必要だ。本紙でもなるべく海外情報を掲載するようにしているが、変化が激しい時代、業界として海外情報を得る体制を整える必要があるのではないか。【星野渉】
