第30回ミステリー文学大賞に笠井潔氏、新人賞に雲井登一氏「デンドライト」

2026年10月7日

 光文文化財団は9月16日に最終選考委員会を行い、第30回日本ミステリー文学大賞に笠井潔氏、同新人賞に雲井登一氏「デンドライト」を選出した。

 

 大賞は日本のミステリー文学の発展に著しく寄与した作家および評論家に贈られる。選考委員は赤川次郎、綾辻行人、逢坂剛、佐々木譲の4氏。正賞にはシエラザード像、副賞には300万円が贈られる。

 

 笠井氏は受賞について「自分が候補になるとは考えてもいなかったので、大変驚いた」とコメントした。

 

 新人賞は新鮮な魅力と野心にあふれた才能の発掘を目的とした賞。最終候補作にはオオノヤ氏の「離島」、柏村純氏の「夜明けと洋燈 ~小樽がたり~」、雲井氏の「デンドライト」、栗岡志百氏「アイス・スチール/チョコミント」が選ばれた。最終選考は月村了衛、中山七里、葉真中顕、湊かなえの4氏が行い、満場一致で雲井氏の「デンドライト」に決定した。正賞にはシエラザード像、副賞として500万円が贈られる。

 

 贈呈式は来年3月17日17時より帝国ホテル東京で開催予定。

 

 笠井氏は1948年生まれ、東京都出身。74年のパリ滞在中に執筆した『バイバイ、エンジェル』(角川書店、創元推理文庫)で79年第6回角川小説賞を受賞してデビュー。評論家としても活躍し、97年『本格ミステリの現在』編(国書刊行会)で、第51回日本推理作家協会賞を受賞。第3回本格ミステリ大賞では、02年刊行の『探偵小説論序説』(光文社)が評論・研究部門を、『オイディプス症候群』(光文社、創元推理文庫)が小説部門を同時受賞している。

 

 雲井氏は82年生まれ、神奈川県出身。明治大学政治経済学部政治学科を卒業。現在は東京都に在住。会社員をしている。