TheBunkaNews(文化通信)デジタル月間閲覧ランキング 1位「須原屋閉店」 24年通期1位記事超えに

2025年1月30日

 文化通信社はこのほど、「The Bunka News」デジタル版で月間アクセス数の多かった記事を集計した。集計期間は2024年12月14日~25年1月24日。最も読まれたのは「須原屋 400坪超の川口前川店を閉店へ 同所に大手書店出店か」(24年12月23日)だった。

 

24年12~25年1月「The Bunka News」デジタル版アクセスランキングのサムネイル

 

 1位の須原屋閉店記事は25年1月末で川口前川店(埼玉)が閉店し、跡地に大手書店が出店を計画していることを特報した。400坪を超える川口前川店は埼玉県を地盤に展開する須原屋にとって旗艦店の一つだった。大手書店出店の情報を本紙記者は昨年11月に入手していたが、現時点では入居する商業施設との情報解禁と合わせる形で準備が進んでいるようだ。遅くとも今春には開示される見込み。

 

 なお、同記事は24年通年のデジタル版ランキング(24年12月25日既報)集計後に配信したが、1週間もたたずに24年ランキング1位「【ソウル通信】27 田舎本屋の店番になった元大統領 文在寅氏が故郷で書店開業」(23年5月13日配信)の閲覧数を大きく超えた。

 

 2位は「野間四賞贈呈式 野間出版文化賞に新潮文庫『百年の孤独』と『ちいかわ』ナガノ氏」(24年12月27日配信)。24年の文庫市場を多いに沸かせた「百年の孤独」、大人気キャラクター「ちいかわ」、連載30周年「名探偵コナン」作者、青山剛昌氏と豪華な受賞者だったが、SNSで注目されたのは『杉森くんを殺すには』(くもん出版)で野間児童文芸賞を受賞した長谷川まりる氏の受賞スピーチだった。

 

 長谷川氏は国内のヤングアダルト(YA)ジャンルが「子どもむけすぎ」であり「本来読んでもらいたい若者たちに、YAが届いていないのではないか」と問題提起。一般的なイメージよりももっと広く「個人的には大学生ぐらいまでがYAの対象」とし、メディアにもさらなる発信を求めた。長谷川氏がXで同記事をリポストすると、賛同のコメントが寄せられた。

 

 3位「自費出版老舗の中央公論事業出版が解散」(25年1月16日配信)は、中央公論新社傘下の自費出版老舗、中央公論事業出版が4月1日付で解散し中央公論美術出版に事業・人員をはじめとした権利義務すべてを承継することを報じた。「日本初のオーダーメイド出版専門会社」を掲げ、累計制作点数は1万1000点を超えていた。創業から70年になろうとする老舗の解散は一部関係者に驚きを与えたようで、本紙編集部には詳細を問い合わせる電話もあった。

 

 6位は「KADOKAWA 出版製造流通DX「BECプロジェクト」初公開 営業・製造・物流を三位一体でデジタル化 返品率の低減、販売機会の拡大など実現」(25年1月16日配信)。  

 

 KADOKAWAがところざわサクラタウンを拠点にした「出版製造流通DXプロジェクト」をメディア向けに公開するのは初めて。国内出版社では唯一、営業・製造・物流を三位一体でデジタル化→製造部数と在庫数を最適化→全国の書店が必要とするタイミングで即時出荷できるフローを整えた。業界3者がこれまでに強く希望してきた「適時適量在庫」の把握と迅速な店着が実現した。 

 

 また、「注文から出荷まで最短で24時間、遅くとも72時間内」「在庫がなくても100部からの小ロット製造・短納期製造」「返品率を28年3月期に22%目指す」などこれまで明かされてこなかった具体的な数値も初めて明かされた。