書店が増える国と減る国
アメリカの独立系書店は2025年も増加した。米国書店協会(ABA)がまとめた年次報告書によると、新規店は605店で、前年より87%増えたという。これに伴い、ABAの会員数も502店増えて3783店に達した。日本とは好対照だ。
独立系書店だけのことではない。最大手書店のバーンズ&ノーブルも年60店舗ほどを出店し、総数700店舗に回復した。大手書店と独立系書店の両方が増えているのだ。しかもABAの調査によると、既存の独立系書店の売上、利益率とも伸びたという。
なぜアメリカで書店が増えているのか。まず、前提として紙書籍の市場が伸びていることがある。そして、書店が人々を引き付けている理由は本紙連載の「ドーント・ブックス ジェームズ・ドーントCEOに聞く」に詳しい。
本号掲載の同連載(5面)で、ドーント氏は市場の健全化には、適正な「価格」と「粗利益率」が必要だと指摘している。日本でも同様の指摘はなされてきたが、市場が安定し、書店が増えている国からの発言には説得力がある。
三洋堂ホールディングスの加藤和弘社長は当社セミナーで、書店が増えている国々と書籍市場の関連から、「書籍が売れないから書店が減っている」のではなく、「書店が減っているから市場が縮小している」のではないかと指摘した。そのことが現実味を帯びて見える。【星野渉】
