【出版時評】中間的存在だからこそ提供できる価値

2021年6月21日

 当社が企画運営する「こどものための100冊キャンペーン」が始まった。子育て中の著名人や書店員、図書館員が選んだ児童書100冊を紹介するカタログを作成し、未就学から小学校低学年までの子どもたちに本と出会う機会を提供しようという企画だ。

 

 昨年末に実施した「ギフトブック・キャンペーン」では書店約1500軒が参加したが、今回は公共図書館で掲載図書の展示などを行う。さらに保育園を運営する企業がカタログを園児に配りたいと要望が多く5万部ほどを直接園児に渡ることに。また、育児商品販売店を展開する企業は、コロナ禍で増えている通販の購入者に属性に合わせてカタログを送るという。

 

 こうした書店や図書館以外のルートは当初あまり想定していなかったが、子どもに本を提供することに積極的な企業が多いことに、今さらながら驚かされる。

 

 そして、同時に開催する書店で1000円以上購入することで応募できるプレゼント企画は、書店への来店促進策として定着させたい。

 

 今回キャンペーンのキャラクターになる「モーリーくん」はコウモリだ。コウモリは哺乳類でも鳥類でもないどっちつかずのマイナスイメージもあるが、当社も中間的な存在だからこそ提供できる価値があるように感じている。

【星野】