大垣書店 オンラインセミナー初開催、歴史家・磯田道史氏が解説

2021年3月2日

歴史家の磯田道史氏によるオンラインセミナーを開催

 

 大垣書店(大垣守弘社長)は2月20日、池田書店がこのほど発刊した『マンガでわかる災害の日本史』の著者で歴史家の磯田道史氏によるオンラインセミナーを開催した。ZOOMを使ったオンラインイベントの開催は同社としては初めてで、同書籍の購入者を対象に無料で開催。43人が参加した。

 

 コロナ禍で店頭イベントが見送られ、オンラインイベントを求める声が各店から寄せられる中、「磯田先生の話なら直接聞きたい人が多いのでは」と同書発刊をきっかけに実施が決まった。

 

 同書は、磯田氏のライフワークの一つとして研究している災害史を、マンガを使って体系的にまとめたもので、過去、人びとがどのように被災し、復興を遂げてきたのかを古文書をもとに読み解き、現代にも役立つ教訓や防災対策につなげる内容。

 

 セミナー前半は本書の制作秘話に触れ、「歴史には今の時代にも参考になるものが多い。感染症対策も含めサバイバルの知識を詰め込んでいる。本書を通じて子供たちにしっかり伝えるのが目標」とした。後半は京都の災害にふれ、多発した大火を絡めながら、市内区域の規模・人口の推移、復活の動きなどを解説した。

 

 磯田氏は「予想以上に多くの人に参加いただき、実施してよかった。コロナ禍で閉じ込められた時間でも本は読める。ぜひ知識を増やし、有意義に楽しく過ごしてほしい」と結んだ。

 

 企画を担当した同社商品部の森田彩美課長は「お客への周知、集客方法に課題を残したが、自分たちにもオンラインイベントができることが分かった。各店舗でも主体的に実施できるように体制を整えていきたい」と、先行きに自信をのぞかせた。