AIで変わる編集の仕事
最近はテープ起こしもAIを利用することで、専門業者に頼むことがなくなった。すると、以前たまにお願いしていた業者から、再度の利用を促す手書きの手紙が届いた。それほどまでに利用者が減っているのかと、改めてAIによる仕事の変化を実感した。
かつては肉体労働がどんどん機械化されていき、知的労働が残るといった未来予測が多かったが、AIはその様相を一変させる。編集系でも、すでに校正もAIによるシステムが普及し始めている。書籍の1ページ目と100ページ目の表記の揺れも、AIであれば見逃すことはない。
日販グループによるアンソロピックへの書籍大量販売が問題になっているが、人間が長い間蓄積してきた知識や知恵が詰まった書物をAIが学習していけば、人が考えながら行う編集のような仕事の相当部分を担えるようになることも想像に難くない。
これが「便利」なのか「脅威」なのかは、まだわからない。ただ、AIを開発する米国の最先端企業トップが開発を遅らせるべきだなどと発言しているのだから、単に「便利」になると楽観することはできなさそうだ。
競争社会のなかで、人が自ら進化・発展を止めることはできないだろう。出版という知的領域の仕事がどのように変化していくのか。目の前の便利さを享受しつつ、まだ見えぬ将来を探りながら進むしかない。【星野渉】
