増える出版流通の選択肢
トラック新法の施行に向けて、出版流通の変化が加速している。取次各社が出版社との取引条件変更に動きはじめ、取次協会は雑誌配送ルールの見直しを迫る。多くの出版社は、いままで安定していた土台が一気に動き出したように感じているだろう。
そんななかで、取次とは別のところで、新たな動きも起こりつつある。すでにブックセラーズ&カンパニーが取次を介さない直接取引を進めているのをはじめとして、RFIDを展開するPubteXは出版社から書店への直送流通構築を準備している。
そして、これまで主に古本のネット通販を手掛けてきたバリューブックスは、自社で発行する書籍の書店直卸を近く本格化させ、さらに他の出版社にも在庫保管と書店直卸のサービスを拡大させていくという。
また、個人が創業するなどして増えている独立書店が立ち上げた「独立書店ネットワーク」は、加盟店が100店を超え、出版社から買い切りで書籍を仕入れるなどの取り組みを始めている。
ブックセラーズ&カンパニーの物流・決済を日本出版販売が担うように、しがらみがない新しい動きと、従来のインフラである取次が連携するケースもある。そうやって、これからの出版流通が形作られていくように見える。出版社や書店は、自社にふさわしい流通を選択していくことになるのだろう。【星野渉】
