拡散しやすいネガティブ情報
大阪の田村書店が特別清算したというニュースが、営業中の書店が経営不振で倒産したかのように広まった。同書店は2024年にオー・エンターテイメントに事業譲渡し、その後も8店舗は屋号を「田村書店」のまま営業を継続している。さすがに同社もこの報道に対して、Webサイトで店舗は営業を継続しているとアピールした。
最初にこの情報を目にしたときに「あれっ?」と思ったが、過去の経緯を思い出すのに一瞬間を置いた。特別清算という一次情報自体、間違いではないが、この類の情報が拡散されるスピードは速いし内容は変質していく。
いま、出版業界では「トラック新法」や「流通合理化」、「取引条件交渉」など、大きな変化に向けたやり取りが始まっており、どちらかというとネガティブな情報が出やすい環境にあると言える。そうした情報が拡散すると、実際以上のマイナス要因になる可能性がある。
もちろん、いまの世の中で現実を隠したりすることはできない。まずはメディアなどに業界の状況や、向かおうとしている方向などを根拠を示して丁寧に伝えること。そして、合わせてポジティブな面を発信していくしかない。
このところ、書店議連の活動などもあり、政府・行政への働きかけは始まっているが、社会にアピールすることも業界として取り組むべきテーマだろう。【星野渉】
