【出版時評】2026年3月31日付

2026年3月31日

海外市場への熱い期待

 

 メディアドゥが開いた海外出版事業説明会には、会場参加とオンライン参加を合わせて437人が参加した。同社がアメリカで日本マンガを数多く刊行しているセブンシーズ・エンターテインメントを買収したことに伴う説明会だが、国内出版社の海外市場に対する期待の高さをうかがわせた。


 セブンシーズは、日本文化に関心を持ち、自らも漫画を描くジェイソン・デアンジェリス氏が2004年に創業。年間1000タイトル以上を刊行する海外では最大規模のマンガ出版社だ。


 アメリカをはじめとした海外市場では、コミックも電子で読まれる割合は10%程度と低く、紙が中心。そのため、海外市場への展開を進めるメディアドゥは、紙の販路を持つセブンシーズを傘下に収めた。ちなみに、セブンシーズの販売・流通を担うのは、講談社米国法人も利用する出版総合サービス会社のペンギン・ランダムハウス・パブリッシャー・サービシーズだ。


 BL、TLなど女性向けコミックなどを年間50点ほど刊行するある出版社では、ここ数年、海外への版権販売が毎年30%ほど増え続けているという。


 コロナ禍以降、特に拡大している海外での日本出版物への需要は、大手出版社の人気作品にとどまらず、すそ野が拡大している。そのことが説明会の熱気にもつながっていた。【星野渉】