【出版時評】2023年9月12日付

2023年9月11日

 


デジタルの「泥臭い」仕事

 

 ツイッターが「X」になったことで、外部とのデータ交換が制限されて自社サイトからの投稿が自動化できなくなるなど、身近なところで影響がでている。大きなプラットフォームの動きを把握していないと、個々のビジネスに支障が出かねない時代だ。

 

 サイトへの流入を図るため、サイトを検索エンジンに最適化するSEO対策も、そんなプラットフォームの変化に対応しなければならない。このほど当社セミナーで話していただいたコミチの創業者で代表の萬田大作氏は、出版社のマンガサイト運営を受託して、日々、この「泥臭い」業務を行っているという。

 

 事務所には、請け負うサイトの分析結果を示すアナリティクス画面を表示し続けるモニターを複数台設置し、絶えずデータをみながら編集部に対策を提案する。数カ月に一度変わる検索エンジンの変更にも即対応する。

 

 ウェブかアプリか、コマ割りかウェブトゥーン(縦書き)か、紙か電子か、などデジタルメディアの選択肢は増え続けるが、同社はどう視聴者を増やすのかに取り組む。しかも出版社をサポートするスタンスを崩さない。

 

 コンテンツがなくて困っているIT企業より、出版社に強みがあるとみる萬田氏は、今秋、受託先を中堅クラスの出版社に広げるという。マンガに限らず、こうした技術とノウハウを持った人材が活躍してほしい。【星野渉】