【つぶや記】文化通信2020年9月21日付

2020年9月23日

 秋の虫の声を耳にするようになった。わが畑でもトマトの収穫を終え、元気なナスを横目に冬に収穫する白菜や大根の種まき、育苗に忙しい。

 

 先日、まったくの新規先を訪問して、ふと感じた。この人は、私の顔の下半分を知らないのだ。私も目の前の人の顔下半分が分からない。マスクを外してしまうと、道ですれ違っても相手が分からないかもしれない。

 

 マスクのあるなしに関わらず初対面の会話は互いに少しの硬さを伴う。まして顔が半分隠れている状態では、意思の疎通が普段以上に難しいのではと心配したが、今回の訪問では「目は口ほどに物を言う」を良い意味で実感した。表情は笑っているのに、目だけ笑っていない人との対面でも同じことわざを思い出すが、目元が徐々にほぐれてくるのを見つけ、ちょっと実際の距離を詰めてみた。

 

【櫻井】

 


 

 コロナ禍の収束はいまだに見えないものの、私たちの取材活動も少しずつ元に戻り始めている。ただ、オンラインでもリアルでも、これまでになかった戸惑いもある。

 

 オンラインで言うと、取材対象者のフルネームや肩書きが分からなかったりする。いつもの名刺交換がないからだ。また、記事になりそうな大事な場面に限って、急に会話が途切れたりするのはなぜだろう。

 

 イベントや会合などの取材で、やっかいなのは写真の撮影。登壇者の前にアクリル板があったり、対談などもソーシャル・ディスタンスが邪魔をして、アングルに苦心する。

 

 なにより悩ましいのはマスクの存在だ。初めて会った人の顔は、まず覚えられない。インタビュー時の撮影も、どのタイミングでマスクを取ってもらえばいいか。何か妙案があれば教えてほしいものだ。

【増田】