【出版時評】進む書店へのオンライン営業

2020年7月13日

 新型コロナウイルスの感染者は東京都だけで200人を超え、これまでの最多数を記録するまでに増加している。検査数が増えたからということだが、自粛していたときと何ら状況が変わっていないのに、多くの人が活動するようになれば広がるのは当たり前で、驚くには当たらない。

 

 経済的な影響が大きいためか、今のところ以前のような外出制限的な「自粛」措置をとるよう求められてはいないが、感染者の増加が続き、再び休業要請が出されたらと、小売店などは戦々恐々だろう。

 

 こうした状況下で、出版社などはオンラインでの営業活動を進めている。元々所沢移転などリモートワークを推進してきたKADOKAWAがいち早く開始したのをはじめ、複数の中小出版社によるオンライン商談会も書店側から好評だという。

 

 多くの人が仕事の打ち合わせなどをリモートで行うようになり、ツールの操作にも慣れてきている。そうしてみると、意外といままで難しかったことが簡単にできることに気付いたりする。特に全国に散在する書店と日常的にコミュニケーションするためには、出張よりも圧倒的に効率が良い。

 

 ただ、出版社が次から次へと個別にオンライン営業を始めると、受ける書店側も大変だろう。そのあたりも協業やグループ化のきっかけになるかもしれない。

【星野】