JPO(日本出版インフラセンター)は3月23日、4月から機能が拡大する書店・図書館向け書誌情報サイト「BooksPRO」と同じく4月から開始する「未管理著作物裁定制度」に関する説明会を開いた。冒頭、相賀昌宏代表理事(小学館取締役会長)は未管理著作物裁定制度について「(出版情報データベース)『Books』で対応する。(その内容を)知っておかないと後で困ることになる。ここで理解を深めてほしい」と呼びかけた。
出版情報登録センター(JPRO)のBooksPROの機能拡大は主に3点。新たに「My選書リスト」機能を追加する。書誌情報はこれまで閲覧が主で書店員らはコピペして共有するなどしていたが、4月1日以降はリスト化しエクセルでダウンロードできるようになる。1アカウントで10個のリストが作成できる。
また、版元ドットコムと連携し主要6大新聞(朝日・読売・毎日・日経・産経・中日/東京)に掲載された書評の情報も確認できるようになる。さらに毎週金曜日発売の『週刊読書人』の書評本文が読めるようになる。直近以外の書評以外でも1958年以降に掲載された書評を順次テキストデータ化を進めている。
4月から運用される「未管理著作物裁定制度」については、文化庁の「分野横断権利情報検索システム」から「Books」にリンクすることで対応する。同制度は令和5年著作権法改正で制定された。文化庁資料によると「著作物等の利用可否に関する権利者の意思が確認できない場合に、権利者の許諾を得る代わりに文化庁長官の裁定を受け、補償金を支払うことにより、適法な利用を可能とする制度」。
既存の裁定制度が「著作権を扱うプロが利用してきたもの」(日本書籍出版協会・樋口清一専務理事)だったのに対し、未管理著作物裁定制度は一般人からの利用申し込みを主に想定している。従来の裁定制度に比べて手続きが簡素でCRIC(著作権情報センター)に申請する。利用上限は最長3年で、権利者が現れて請求があった場合裁定は取り消され裁定に基づく利用は停止される(その後の利用は利用者と権利者の協議による)。

樋口専務理事
樋口専務理事は「Booksは権利情報のデータベースではない。ただし、登録いただけた出版社のWebサイトと連携することで権利情報の窓口として充分に機能すると思っている」と述べた。
JPROの田中敏隆管理委員会委員長(小学館監査役)は著作物の権利主張のために、本の奥付やホームページで明確に表記し意思表示することが重要と説明。Booksが業界のデータベースとして圧倒的な収録数をもつことや入手困難本対策、マルチコンテンツ表示もされていること等から「業界として『Booksをみてください』ともう少し大きな声でいう必要がある」と強調した。

田中委員長
JPO事務局は、書店からの直近の利用の声として「情報の精度向上」への要望が多いことを報告。とくに本体価格の変更や定価改定の際には、速やかに情報を修正することを求めた。
