長嶋茂雄さんお別れの会 東京ドーム、3万2400人追悼

2025年11月25日

 6月に89歳で死去した読売巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄さんのお別れの会が11月21日、東京・文京区の東京ドームで開かれた。関係者の部と一般の部を合わせて約3万2400人が来場し、ミスタージャイアンツとの別れを惜しんだ。

 

長嶋茂雄さんを悼む多くの人が参列した「お別れの会」

 

 関係者の部では、長嶋さんと「ON砲」として一時代を築いた王貞治・福岡ソフトバンクホークス会長(85)が長嶋さんの引退時の名言を引き合いに「『長嶋茂雄さんは永久です』と多くの皆さんが思っている思いを代表してお伝えしたい」と述べた。

 

 巨人や米大リーグ・ヤンキースで中軸打者を担ったまな弟子の松井秀喜さん(51)は、2人きりでの素振り指導に思いをはせ、「胸を張って『自分の師は長嶋茂雄だ』と言える幸せをありがとうございました」と感謝の言葉をささげた。

 

 俳優の北大路欣也さん(82)は、主演ドラマの放映後、長嶋さんから届いた称賛の手紙を披露し、「いつもこのお手紙は私の背中を静かに押してくれました」と振り返り、「私たちの長嶋さんへの思いは永遠です」と語った。

 

 式典では、高市早苗首相(64)と米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手(31)、日米球界で活躍したイチローさん(52)が追悼のビデオメッセージを寄せた。

 

 高市首相は「プロ野球を国民的娯楽に押し上げた最大の功労者と言っても過言ではない」とたたえた。大谷選手は「僕たちにつないでいただいたバトンを次の世代につないでいくのが、私の、そして私たちの使命だと今は強く思っています」と誓った。イチローさんは「多くの人々からの憧れの対象であることを理解され、憧れられる立ち居振る舞いをとことん追求され、完璧に表現された唯一無二の方です」と気持ちを込めた。

 

 この後、俳優の松嶋菜々子さん(52)が「長島茂雄選手を讃(たた)える詩」(サトウハチロー作)を朗読した。米大リーグ・パドレスのダルビッシュ有投手(39)も「野球を心から楽しんでおられた姿、忘れません」との弔電を寄せた。

 

 関係者の部には、野球界や政界、経済界などの約2800人が参列し、応募者の中から選ばれた約6800人が2階席から式典を見守った。一般の部には約2万2800人が足を運んだ。