
軽快なトークを交わす又吉さん(左)とヨシタケさん
ポプラ社は8月5日、お笑い芸人・又吉直樹さんと絵本作家・ヨシタケシンスケさんが3年ぶりにコラボした新刊『本でした』(A5変型判、232㌻、1760円・税込)を刊行した。前作『その本は』と合わせて累計43万部を突破した『本でした』の発売を記念して、著者2人によるトークイベント「その本は…本でした?」を9月21日、東京・千代田区の科学技術館サイエンスホールで開催した。
シリーズ累計43万部突破
前作の『その本は』は、2人の男が本好きの王様のために世界中から〝めずらしい本〟の話を集めて届ける物語。新刊の『本でした』は、村はずれに住み着いた2人が、村人たちから寄せられた、たった1行のヒントをもとに本を「復元」していくストーリー。「その本は、○○が○○でした。これってどんな本でした?」をテーマに、又吉さんとヨシタケさんが互いにお題を出し合い、物語をつむいでいる。
トークイベントは会場とオンライン配信で開かれ、両書の制作秘話をはじめ、『本でした』で一番好きな話や、難しかったお題などについてそれぞれ語った。
2017年に行われた第1回「小学生がえらぶ!〝こどもの本〟総選挙」の発表会で初めて会い、意気投合したという二人は、『本でした』は二人にとってどんな本かと聞かれると、ヨシタケさんは「作っていて、とても刺激的だった。まず、又吉さんに喜んでほしいという思いがあって、その先に読者のことを考えていた」と、普段とは違った作品づくりを明かした。
又吉さんも「前作もそうだが、本があまり好きではない人におすすめの本を聞かれたとき、すすめる本としてうってつけ。そして、本をよく読んできた人にも楽しんでもらえる作品を作れた」と話した。
イベント後半では、来場した観客から寄せられた「その本は、○○が○○でした。これってどんな本でした?」というお題に対して、二人が即興で答えるコーナーもあり、大いに盛り上がった。
また、自身のおすすめの本を聞かれ、又吉さんは『ここで唐揚げ弁当を食べないでください』(小原晩、実業之日本社)を、ヨシタケさんは『ドクロ』(ジョン・クラッセン、柴田元幸・訳、スイッチ・パブリッシング)をすすめた。