有隣堂×『婚活食堂』×紀文 3カ月連続で「食と本と人をつなぐ」イベントを開催

2022年11月28日

 11月18日、株式会社有隣堂と株式会社紀文食品は、山口恵以子さんの小説『婚活食堂』(PHP研究所)に登場する料理を再現し、山口さんとともに食事を楽しむイベントをヒビヤセントラルマーケット(東京・日比谷)で開催した。

(左から)有隣堂・松信社長、山口さん、紀文・堤社長

 同イベントは、「食と本と人をつなぐ」をテーマに3カ月連続で行うイベントの第2弾。“一夜限定「作家食堂」”と題して、山口先生監修の再現メニューを7品のコースで提供した。

 

 メニュー開発を担当したヒビヤセントラルマーケット「一角」のシェフは、『婚活食堂』8巻(11月10日発売)に登場する料理を、発行前のゲラ(校正刷り)段階から読み込んで試作。イベントの3週間ほど前から構想を練り、2週間前から試作を繰り返して完成した。

 

『婚活食堂』(PHP文芸文庫)/女将の恵が切り盛りする東京・四谷のおでん店「めぐみ食堂」を舞台とした連作短編集。2019年9月に第1巻を発行、最新刊の8巻が2022年11月11日に発売された人気人情小説シリーズ

 

 もともと紀文食品の魚河岸あげ®が大好きだったという山口さんは、「今回のように小説と食がコラボすることはすばらしい試み」と語り、今回のメニューでお気に入りをたずねると、「魚河岸あげ®はもちろんおいしいけれど、ほかのメニューも素人にはできない味付けで、どれも甲乙つけがたいおいしさだった」と料理を絶賛した。

 

 イベントに登場した紀文食品代表取締役社長の堤裕氏は、「蒲鉾は900年の歴史がある伝統ある食品。和食文化の伝承や継承は一つの企業だけでは成り立たない。思いを同じくする企業との活動の必要性を感じていた」と語り、そんな折に山口さんの紹介で「書籍を媒介に和食を楽しんでもらう」有隣堂の企画を知り、賛同したという。

 

 有隣堂代表取締役社長の松信健太郎氏は、「山口先生は、われわれ書店と同じ危機感を共有していて、有隣堂に限らず全国の書店を回っておられる。今回、先生の協力を得て、紀文さんの全面協力もあり、出版業界にとっては貴重なイベントになったと思う」と語った。

 

 同メニューのうち3品が、12月31日までの期間限定で「一角」にて提供される。また、第3弾は、12月3日に誠品生活日本橋にて『実演「山口家のおせち」』と題して、山口さん自らおせちの調理を実演する予定だ。

 

期間限定で提供されるメニュー。(左から時計回りに)ごぼうのオイル煮、魚河岸あげ®のみぞれ仕立て、鶏レバーの赤ワイン煮


山口恵以子(やまぐち・えいこ)さん

1958年、東京都生まれ。プロットライターとして活動後、2007年、『邪剣始末』で作家デビュー。2013年、『月下上海』で松本清張賞受賞。主な著書に、『食堂のおばちゃん』、『婚活食堂』シリーズ、『恋形見』、『ゆうれい居酒屋』などがある。