文化通信社主催「書店バイヤーが語る“これからの仕入れ”」 書店と出版社をつなぐオンラインの場

2022年4月22日

2021年4月~22年3月にかけて全12回開催

 

 文化通信社は2021年4月、全国12書店の仕入れ担当者が登壇する月例オンラインセミナー「主要書店バイヤーが語る“これからの仕入れ”」を実施した。書店バイヤーセミナーに参加した出版社やメーカーからは「書店の取り組み、要望等を把握できる貴重な場」と好評で、その後に商談に結びついたケースもある。昨年度に実施された全12回のセミナーについてレポートする。また、参加者からの要望を受けて、文化通信社は22年4月20日から書店バイヤーセミナーの第2弾をスタートさせている。お申し込み・詳細はこちらから。

 


仕入れ担当者が語る、業界初の出版社向けセミナー

昨年度に始まったバイヤーセミナー、第1回の講師は三省堂書店

 

 21年4月~22年3月にかけてオンラインで行われた全12回の書店バイヤーセミナーは、参加者を書店に商品を提供する出版社・メーカーなどに限定。受講料は全12講座(通年)が5万円、単体講座が5000円。いずれも税込み。22年4月スタートの第2弾も受講料に変更はない。

 

 昨年度の講師は4月に三省堂書店、5月に今井書店、6月に三洋堂ホールディングス、7月にブックエース、8月に有隣堂、9月に啓文社、10月に丸善ジュンク堂書店、11月に文苑堂書店、12月に大垣書店、1月に大学生協連、2月に平惣、3月に紀伊国屋書店が登壇。各書店のバイヤーが、約1時間30分のセミナー時間内で、事業概要や仕入方法、企画のあり方を紹介した。

 

 そのほかにも書店から出版社へのお願いという形で、「店舗訪問にはアポイントが必要」「注文書だけでなく、書誌情報一覧(Excel)がほしい」「締切までの期間が短すぎる場合は対応できない」といった、現場の声を伝えている。

 

 第1回目にあたる21年4月に行われた「三省堂書店」のバイヤーセミナーは、講師を藤堂哲也氏(執行役員 営業企画室室長)と鈴木昌之氏(営業企画室次長)が務めた。本部と店舗の役割、仕入れ権限といった運営体制、書店としての理念を述べた。

 

 このほかにも、買取商品の実例紹介を具体的な数字をあげて解説している。また、書籍・文具雑貨以外の取り組みも紹介した。電子書籍事業や神保町いちのいち事業、ネット販売、店頭のサイネージを使ったメディア事業について説明した。

 

通常の書店とは異なる体制の大学生協セミナーは大きな反響があった

 

 また、22年1月に開催した大学生活協同組合(大学生協)のバイヤーセミナーは反響が大きかった。講師を大矢かおり氏(勉学研究事業部書籍商品課)が務め、各大学生協の店舗を紹介。仕入れ基準では「B-POS」と呼ばれる大学生協で開発したPOSシステム、専門書近刊サイトなどを説明。専門書の仕入れやシステムについて、セミナーで詳細に語っている。

 

 参加者からは「バイヤーセミナーで専門書についてしっかりと取り扱いをしてくれるチェーンの登壇はありがたかった」との声が寄せられた。

 

 ほかのバイヤーセミナーに対しても「知らない取り組みもあり、弊社でも協力できそうだと感じ、大変勉強になった。商品の仕入れに対して、今後、本部の仕入れ担当者の方針等も聞きたい」といった声があり、コロナ禍での書店と出版社・メーカーをつなぐ場所ともなっている。

 

終了後のアンケート調査、参加者70%超が高評価

 

 セミナー終了後にアンケートで「セミナーの内容はあなたの学びたいことにどの程度、一致していましたか」と聞いたところ、回答者の約70%以上が「極めて一致していた」もしくは「かなり一致していた」と答えた。

 

 また、受講場所を選ばないオンライン会場(Zoom)である点についても、「便利だった」との回答は約80%。参加申込者はアーカイブ動画を視聴できるなど、オンラインならではの利点が喜ばれた。

 

新年度 第2弾スタート 通年・単体講座、申し込み受付中

第1回講座の講師は、うさぎやの高田副本部長

 

 22年の第1回講座は4月20日に開かれ、うさぎや株式会社TSUTAYA事業本部の高田直樹副本部長が講師を務めた。高田副本部長は、情報取得の重要性を強調し、「WEB、SNS、FAX、営業担当者との会話などから情報を精査し、生かせるスタッフは限られている。情報発信が洗練されても、受取手側の用意がままならない状況にある」と指摘した。

 

 そのうえで「このサイトを見れば、全ての情報が載っているといった場があると便利だ」と述べた。また、接客業務に追われる中、電話で書籍の内容を説明するスタイルは対応が難しいとして、「人員が限られているため、長話ができる環境ではなくなっている」と理解を求めた。このほかにも販促の取り組みを説明した。

 

 5月に開かれる第2回講座は、リブロ商品部BOOKグループ・昼間匠氏が登壇する。開催日時は5月18日15時〜16時30分。第3回講座はブックファースト・梶野光弘事業計画推進部長。開催日時は6月8日15時〜16時30分。以降はTSUTAYA、精文館書店、ふたば書房、くまざわ書店、明文堂プランナー、白石書店、NET21などのバイヤーが登壇する予定。

 

「書店バイヤーが語る“これからの仕入れ”2022」

 お申し込みはこちらから


【昨年度開催の講師一覧】

「書店バイヤーが語る“これからの仕入れ”」(21年4月~22年3月)

 

〈4月 三省堂書店〉

講師:藤堂哲也氏(執行役員 営業企画室室長)

鈴木昌之氏(営業企画室次長)

 

〈5月 今井書店〉

講師:竹内麻紀子氏(営業本部 商品管理部 出版物仕入統括マネージャー)

 

〈6月 三洋堂ホールディングス〉

講師:武市大祐氏(書籍雑誌部 書籍雑誌グループマネージャー)
武藤晃享氏(書籍雑誌部 書籍雑誌グループ 一般書・文庫バイヤー)
森崎達也氏(販売促進グループ 商品企画担当)

 

〈7月 ブックエース〉

講師:清宮慎太郎氏(BOOK商品部)

 

〈8月 有隣堂〉

講師:芝健太郎氏氏(商品戦略部)

 

〈9月 啓文社〉

講師:井上剛氏(店売本部)

 

〈10月 丸善ジュンク堂書店〉

講師:神山千尋氏(営業本部仕入販売部)

 

〈11月 文苑堂書店〉

講師:辻井直樹氏(書店部商品課)

 

〈12月 大垣書店〉

講師:赤井良隆氏(営業本部店舗運営部)

 

〈1月 大学生協〉

講師:大矢かおり氏(勉学研究事業部書籍商品課)

 

〈2月 平惣〉

講師:八百原勝氏(徳島店店長兼書籍部バイヤー)

 

〈3月 紀伊国屋書店〉

講師:松井清正氏(店売総本部 販売促進本部 和書販売促進部部長)