ジェイアール東日本企画「交通広告グランプリ2021」 クレディセゾンがグランプリ

2021年10月29日

 ジェイアール東日本企画は10月18日、「交通広告グランプリ2021」の贈賞式を東京・豊島区のホテルメトロポリタン池袋で開催した。最高賞であるグランプリには、クレディセゾン『「落としたコイン・男性」篇 「落としたコイン・女性」篇』が選ばれた。トレインチャンネルやまど上チャンネル等で流れた映像作品などを対象とする車両デジタルメディア部門の作品が、初めてグランプリを受賞した。

 

グランプリを受賞したクレディセゾンの植田氏(右)とジェイアール東日本企画の赤石社長

 

 今回の応募対象は2020年4月1日から21年3月31日までにジェイアール東日本企画が販売・管理を行っている駅、車両(「JR東日本」「つくばエクスプレス」「りんかい線」「ゆりかもめ」「JR貨物」「しなの鉄道」)に掲出された全ての交通広告作品。1554点の中から、グランプリなど計38点が受賞した。

 

 新型コロナウイルス感染防止の対策を徹底して行われた贈賞式で、あいさつしたジェイアール東日本企画の赤石良治社長は「リアルな接点という価値がある交通広告のグランプリだから、リアルでの開催にこだわって検討を続けてきた」と、会場に出席した広告主や制作会社に感謝した。

 

 そのうえで、「コロナ禍で厳しい状況が続くが、新たな取り組みも進めている。東京・新宿駅に設置した国内最大規模の大型LEDビジョン『新宿ウォール456』もそのひとつ」と紹介。「これからは交通広告にデジタルやスマホを連携させながら、さらに発展していきたい」と訴えた。

 

 続いて、協賛の東日本旅客鉄道・喜㔟陽一副社長もあいさつし、「当社グループでは『Beyond Stations構想』を推進している。駅の空間をゼロベースでとらえ、もっといろいろな価値や利便性、心豊かな生活空間をつくる取り組みだ」と説明。

 

 「駅のメディア価値を改めてとらえ直すと、さまざまな新技術を使えば今までよりも、もっとリアルとの接点ができるのではないか」との考えを示した。

 

「生活者に自然と入り込む交通広告」

 

 グランプリを受賞したクレディセゾンの動画『「落としたコイン・男性」篇 「落としたコイン・女性」篇』は、キャッシュレス推進を見た人に訴える作品。

 

 贈賞後、同社の植田直宏ブランディング戦略部長が登壇。「今回の作品は大型商品『セゾンカードデジタル』を紹介している。ストーリー性やインパクトもあり、音声がなくても伝わると確信していた」とし、「交通広告は生活者に密着したメディア。昨今はパーソナル広告が増えており、中には『強引』なものもある。その中で、交通広告は生活者のリズムに、情報が自然と入り込んでいくところに魅力を感じる。もう一度、交通広告を使った表現ができるよう努力していきたい」と語った。

 

 各部門の最優秀部門賞、JR東日本賞を受賞したのは次の7作品。
 ▽車両デジタルメディア部門=花王『ハミング涼感テクノロジー「宣言篇」』

 ▽駅デジタルメディア部門=一蘭『一蘭とんこつ 新登場』
 ▽車両メディア部門=大塚製薬『カロリーメイト「考える液体」』
 ▽駅メディア部門=日本テレビ放送網『応援したいから、応援にいかない。』
 ▽駅サインボード部門=明治『明治R-1 受験生応援広告』
 ▽企画・プロモーション部門=SmartHR「ハンコを押すために出社した。キャンペーン」
 ▽JR東日本賞=花王『キュキュット「お弁当の卒業」』