文化通信社 第4回緊急セミナー「街の書店が感染対策と営業状況を報告」

2020年5月22日

第4回緊急オンラインセミナーで講演する今野英治社長

 

 文化通信社は5月20日、第4回緊急オンラインセミナー「来店者増加で入場制限も実施、今野書店からの報告」を開き、東京の住宅地で営業を続ける今野書店・今野英治社長が感染対策や2月から5月にかけての来店客数や売り上げの推移などを報告した。

 

 今野書店は東京都杉並区のJR中央線西荻窪駅近くの商店街で50年以上にわたり営業を続ける街の書店。店舗は1階60坪と地下コミック売場30坪、周辺の学校への教科書販売など外商も手掛ける。

 

 緊急事態宣言発令後も時間短縮で営業を続けているが、3~5月は来店客が多くなり、売り上げも前年同月を大きく上回っている。一方で、従業員の不安を緩和するため、レジのビニールシートや従業員用のマスク、来店客用の消毒剤、マスク着用を呼びかけるポスターなど感染対策も実施している。

 

 また、この間は顧客から電話での問い合わせが間断なく入っており、取り寄せ注文に追われているという。特に取次非在庫商品については出版社への電話注文を行っているが、出版社の在宅勤務で電話が繋がらなかったり、FAXでの発注を求められたりすることから、取次非在庫商品の受注を取りやめた。

 

 そんな状況でも今野社長は、「お客さんから頼まれた商品を届ける」という先代以来のこだわりを守るため、客注を受け続けていると述べた上で、出版社に対して取次の客注専用在庫を充実するように求めた。

 

 また、同店が所属する書店協業会社Net21が出版社向けに提供している販売データ共有サービス「パーフェクション・リポート」の活用なども呼びかけた。