取次向け「BooksPRO」説明会 マーケットイン目指し、書店に出版情報を提供へ

2020年2月18日

説明会で配布された「BooksPROニュース創刊号」

 

 日本出版インフラセンター(JPO)と日本出版取次協会(取協)は2月12日、東京・千代田区の出版クラブビルで取次会社向けに「BooksPRO」の合同説明会を開いた。3月10日にオープンを予定する「BooksPRO」は、書店員や図書館司書向けに近刊・既刊の出版情報を提供する情報ポータルサイト。JPO・渡辺政信専務理事が概要と機能を説明し、5月にはサイトをレスポンシブ化して、スマートフォン表示にも最適化すると明らかにした。

 

 また、質疑応答では、雑誌PTリーダー・井上直氏(ダイヤモンド社)が、「ダイヤモンド社は8月から60日前登録に対応するため、編集サイクルの変更を決定した」と出版社側での取り組み姿勢も紹介した。

 

搬入日の事前申告、JPROデータに一元化

JPO・川上浩明理事(トーハン)

 

 JPO・川上浩明理事(トーハン)が出版流通との関連で「業量平準化について、出版社からの事前申告は取協の専用フォーマットを使用していたが、3月からはJPRO(出版情報登録センター)データに統一する。データを統一することで、取次会社の仕入れ窓口の省力化を図っていく」と方針を述べた。

 

 また、新刊のばら撒き配本と返品率の問題に触れたうえで、「書店が使いやすい形で、近刊・既刊情報を提供し、最終的にはマーケットイン型の出版流通を実現するのが最終的な目標だ。ただ、すぐに実現することはできないので、まずは『BooksPRO』を使って、隅々まで出版情報を届ける」と強調。

 

 将来的な「BooksPRO」と注文サイトの連携では、日本出版販売のNOCS7やトーハンのTONETS-Vを介してもログインが可能となり、全国約8000コードの書店に情報を提供できると説明した。

 

全国の書店を応援 原点は書店ファースト

 

JPO管理委員会・柳本重民委員長(集英社)

 

 JPO管理委員会・柳本重民委員長(集英社)があいさつし、「NOCS7やTONETS-Vとの連携は、『BooksPRO』の一歩目で、これから書店や取次の意見を反映し、より良いものに成長させていかなければならない」と力を込めた。

 

 さらに、「『BooksPRO』を使うことで、Amazonなど一部の企業だけが得ていた出版情報を、全ての書店に届けられる。この意味は『書店ファースト』だ。全国の書店を応援したいというのが原点」と述べた。

 

 そのうえで、機能の概要や、書店など業界人のコメントが掲載された「BooksPROニュース創刊号」を紹介。なお、2号の発行は5月ごろを予定しており、「BooksPRO」の感想や使い勝手のレビューを載せたいと語った。

 

 結びに「取次と書店が使えば使うほど、出版社は情報を登録してくれる。情報がリッチになれば、取次と書店がさらに活用する。新刊予約ができるようになれば、マーケットインが可能となる。トーハンの近藤敏貴社長や日販の平林彰社長も言及しているように、理想の実現に近づいていく」と期待を示した。

 

JPROのムック登録率40%超に、目標70%の早期達成を目指す

 

雑誌PTリーダー・井上直氏(ダイヤモンド社)

 

 そのあと、渡辺専務理事が「BooksPRO」の概要と機能を説明し、販促情報のタイプ、JPROジャンル、ためし読み機能を紹介。質疑応答では井上氏と柳本委員長を加えた3氏が、出席者からの質問に答えた。

 

 井上氏は、「JPROのムック登録率は現在40%を超え、目標70%の早期達成を目指す。JPROはISBNに紐付くもので雑誌コードは対応外だが、書店では雑誌の情報も求められている」と話し、月刊誌など次号情報の発刊前提供についても、どのような形が望ましいか検討を始めると述べた。

【鷲尾昴】