渋谷区の3書店で7月30日から 顔認証を利用した「渋谷プロジェクト」始動へ

2019年7月12日

 全国万引犯罪防止機構(万防機構)と日本書店商業組合連合会(日書連)による「渋谷書店万引対策共同プロジェクト」は6月28日、万引き犯罪を未然に防ぐため、防犯カメラにより得られた顔認証データなどを共用利用する取り組み「渋谷プロジェクト」を、7月30日から東京・渋谷区の大盛堂書店(売場面積約78坪)、MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店(同1100坪)、啓文堂書店渋谷店(同200坪)の3書店で開始することを発表した。


 同プロジェクトでは、個人情報に該当する情報を共有利用するため、消費者団体や学者、弁護士による「運用検証委員会」を発足し、議論を重ね「運用ガイドライン」を策定。


 参加書店間で共有する個人情報は、①実行日時②被害状況③対象者の特徴④関連する防犯カメラ画像⑤顔識別データの5項目。対象者の氏名は被害店舗と事務局のみが保有し、警察などへの情報提供は行わない。


 「基本的順守事項」として①個人情報保護法等の順守②目的外使用等の禁止と秘密保持③情報の正確性の確保④防犯画像等活用システムの適切な運用⑤参加店などの一員としての自覚の保持⑥運用関係者の研鑽を定め、運用上の改善点も踏まえて適宜研修を行う。


 また、外部の専門的知識を有する消費者団体、学者、弁護士などによる「プロジェクト運用検証委員会」を設置しており、必要に応じて検証委員会を開催する。


 共有利用データの対象となる行為は、「店舗内の万引等にあたる犯罪事犯」に限定し、犯罪に至らない迷惑行為は含めない。「犯罪の成否」は必ず店舗責任者が対象事犯かを判断し、慎重を期するため同プロジェクト事務局も適否の助言を行う。


 共用利用データは、顔認証システムに接続したカメラが来店した対象者の顔画像と共同利用データに保存している顔画像を照合し、対象者である可能性のある者が来店した場合、実務担当者に来店をアラートで知らせる。このアラートにより、実務担当者が対象者であることを確認した上で、店内での声かけや警戒を行うことで、対象事犯の発生を防ぐ。


 共有利用データの安全管理は、①担当者の認証に用いるアカウントは利用者につき1つ発行②顔認証システムを導入した専用端末は社内の他のパソコンと同じLANに接続しない、メールによる発報通知やOS・ソフトウェアのアップデート以外の用途でインターネットを利用しないなどを徹底し、漏洩などセキュリティ・インシデント発生時の対応を規定し、問題発生時の被害を最小限に留める。


 共同利用している個人データは、個人情報保護法に基づき、書面をもって個人情報の開示、個人情報の訂正、追加、削除、個人情報の利用停止、削除などを行うことができる。


 同プロジェクトの開始について大盛堂書店・舩坂良雄社長は、「ここまで来るのに、とても時間がかかったが、書店だけの力ではなし得なかった。万引きによる年間推定被害額は200億円におよぶ。書店の万引き被害を少なくすること、未然に防ぐことで書店の経営は安定し、その地域で継続して営業ができることにも繋がる。これはお客さまにとってもプラスになる。渋谷プロジェクトに理解をいただきたい」と話した。