LINE CONFERENCE 2019 メッセンジャーから生活インフラへ

2019年7月8日

 LINEは6月27日、浦安市の舞浜アンフィシアターで事業戦略発表会「LINE CONFERENCE 2019」を開き、新たなビジョンとして「Life on LINE」を発表した。冒頭、慎ジュンホ代表取締役CWOはライフイノベーションによってユーザーの生活すべてをサポートするライフインフラを目指すと宣言。「Offline(オフライン)」「FinTech(フィンテック)」「AI(人工知能)」に重点的に取り組むと発表した。

 

 基調演説で慎CWOは自らの役職について「CWO(Chief WOW Officer)は世界的に見ても珍しい役職で、LINEで一番大事な価値基準であるWOW(ワオ)の責任者を意味する。たとえば、社内での企画やサービスの会議ではWOWを最優先する。WOWを簡単に説明するなら、生活にイノベーションを起こして皆さんに感動を与えることだ」と説明。

 

 そのうえで、「イノベーションにもいろいろあるが、LINEが掲げるのはライフスタイルに貢献し、影響を与えるイノベーションだ。今回のメインテーマ『Life on LINE』とは朝に起きてから寝るまで24時間、ユーザーの生活をサポートするライフインフラとなることだ」と宣言した。

 

 オンラインとオフラインが融合したOMO(Online Message withOffline)を掲げ、新たなプラットフォーム「LINE Mini app」を2019年秋ソフトローンチし、20年春の提供を予定する。同サービスはLINEアプリ内に構築されるプラットフォーム。

 

 従来は利用するサービスや情報に応じて、アプリのダウンロードやウェブ検索が必要だったが、同サービスによってLINEの中ですべてのサービスや情報にアクセスでき、オンラインとオフラインの隔てがなくなる。

 

 利用する企業・店舗はLINEの中にサービスページを開設することができ、メニューや料金などのほか、予約フォームの設置、クーポン発行、ポイント機能などを持たせたりすることができる。

 

 また、慎CWOはAI開発について「LINEとNAVERが組み、1000人以上の組織体制で独自の技術開発をしてきた。日本語については音声認識、音声合成、チャットボットなど、日本語のAI技術に関しては世界一だと自負している」と述べ、AIアシスタント「Clova」などで培った技術を外部企業に向けて展開していく「LINE BRAIN」事業を始動するとした。19年7月よりAIチャットボット技術、文字認識技術、音声認識技術の販売を順次開始する。

 

 このほか、同社・出澤剛代表取締役社長CEOがAIを活用した独自のスコアリングサービス「LINE Score」を発表。 6月26日にリリースされた同サービスは、LINE関連サービス上での利用傾向や質問の回答データを元に、100~1000点でスコアを算出。ユーザーごとのスコアに応じてキャンペーンや特典などのベネフィットが利用できる。

 

LINE NEWS 月間PV100億突破

 

 島村武志上級執行役員は「LINE NEWS」について「19年5月時点の月間PV数が100億を突破した。利用者数だけでなくPVにおいても、名実ともにナンバー1のニュースプラットフォームに成長した」と発表。900以上のパートナーメディアとともに、1日7000件以上のコンテンツを月間利用者6500万人のユーザー一人一人にパーソナライズして配信していると概要を説明した。

 

 また、19年夏ごろからリプレイ動画をリアルタイムで連携する「Replay Cast」を発表。テレビ東京と連携し、同局の番組と連動した配信を実施する。クリエイター向けには、ニュースタブ内に掲出される動画コンテンツ「VISION」を6月26日からスタートさせた。

 

LINE MOOK 読了率は76%超

 

 また、島村上級執行役員はオンライン化が最適化していない分野として雑誌に言及し、「雑誌コンテンツの価値は中身の情報だけではなく、レイアウトやフォントなどの空気感、視覚表現全体から生み出されるものだ。そうしたエモーションを届けることが雑誌の本質ではないか」と問いかけた。

 

 そのうえで「テキストと写真だけをウェブのフォーマットに合わせて抜き出し、検索されるまで待つ。あるいはSNSで拡散されるのを期待する。これがデジタル対応になってしまっているが、これだけでは雑誌コンテンツが十分に表現されていない」と指摘。

 

 「2年前にスタートした『LINE MOOK』は縦に長い一枚の画像で作られている。実験段階のプロジェクトにもかかわらず、累計アカウントは233万人、コンテンツの読了率は76%超だ。HTMLでも、紙のデザインをそのまま見せるものでもなく、スマートフォンファーストに設計し直している」とスマホ対応の重要性を強調した。