日本書店商業組合連合会 矢幡秀治会長 理系出身、51歳で就任

2019年7月3日
190702矢幡秀治氏

日書連・矢幡秀治会長

 51歳で書店の全国組織である日本書店商業組合連合会(日書連)の会長に就任した氏は、大学の理工学部を卒業後、大手メーカーで回路設計を担当した理系の人だ。

 

 矢幡会長は1967年に川崎市でサラリーマン家庭に生まれた。慶應義塾大学大学院理工学部を卒業し日立製作所に入社、当時世界で大きなシェアを持つ花形の半導体事業に配属されDRAMの回路設計を担当する。


 しかし、国際競争が激化し半導体事業は低迷、NECとの合弁(エルピーダ)に向かう中、将来への不安に揺れた矢幡氏は、妻の実家だった書店の後継者に誘われたこともあり退社を決意。2002年に真光書店に入社、12年からは代表取締役を務める。

 

 同書店は東京都調布市の京王電鉄調布駅近くで、1968年に義父が自らの地所にビルを建て創業。1階60坪と地下50坪の2フロア110坪。駅に近く、矢幡氏が入社した当時は店売も順調だったが、その頃から出版物の低迷が顕著に。


 そんな中、周辺でやめる店から教科書を引き継ぐなど外商の拡大に注力。高校6校をはじめ、図書館、企業などへ納入先を増やし、ここ数年で外商が店売を上回る規模に成長した。また、理系の経験を生かして社内LANや経理システムなど自社のバックヤードを整備した。


 組合活動では当初、東京都書店商業組合青年部に入り、その後親会の理事となり、委員長を歴任するなど積極的に関わってきた。


 今回は日書連の理事を経ないまま、異例の抜擢で会長に選任されたが、「商店会などでも声がかかり、そんな時期なのかと思いました」と当人はいたって冷静だ。


 組合活動を通して感じたのは「組合で頑張っている人がいる一方で、組合とは距離をとって個々で頑張って開拓している書店人もいる。そういう人たちも巻き込んでいきたい」ということ。


 会長就任から間もないが、「いままでのことを繰り返すだけではなく、方向は一緒でもやり方を変えていき、目に見える、形になることをしたい」と抱負を語る。