書店の仕入れを支える仕組みに期待
PubteXが「注文流通ソリューション」を発表した。これまで一部で報道され、取次を通さない書店直流通として物議を醸したが、注文品に限って出版社から書店に一般流通を使って配送し、新刊と返品の配送や決済などは従来通り取次が担当する。
とはいえ、これまでとは違う発想であることは確かだ。ポイントは、同社が進めるRFIDやAIによる需要予測の仕組みと連動させることや、参加出版社の共同受注サイトを構築すること、そして一般流通を使う点にある。
これまでも、業界に需要予測や受注サイトなどは存在したが、あくまでもメインとなる流通(配本)の形は変えずに補助的な利用にとどまってきた。一方で、書籍流通に特化した欧米の出版流通では、書店の事前発注による仕入れを支えるため、取次の需要予測による在庫精度、在庫がわかる発注サイトなどが前提として整備されてきた。
そうした出版流通は、出版社と書店の直接取引を前提に構築されている。ドイツの大手取次リブリ社では、自社の在庫を書店に卸す事業と同時に、出版社や書店から物流を受託する事業も行っており、それが全在庫の半分以上になるという。
書店の返品率を下げて、書店マージン率を上げるためには、書店が主体的に仕入れることと、それを支える仕組みが必要だ。その仕組みとして期待したい。【星野渉】
