【つぶや記】2026年9月15日付

2026年9月15日

 同じものでも〝無料〟だと、よりおいしく感じるのはなぜだろう。私の暮らす地方都市は少子高齢化が進み、お気に入りの飲食店もすぐに姿を消してしまう。だが、通勤の乗り換え駅は大型ショッピングモールに直結しており、帰宅時のささやかな楽しみがある◆20時までに到着すると、食品セレクトショップ「〇〇〇〇コーヒー」が焙煎豆のPRで試飲用コーヒーを配っている。一般的にはブラックでの提供が多いなか、この店は砂糖とミルク入りの甘い仕様。ブラック苦手派にはとてもありがたい、疲れた身体に染み渡る至極の一杯◆正直なところコーヒー豆を買う機会はなく心苦しいが、この店が取り扱うご飯のお供やパンのスプレッド類は絶品揃いで日頃から愛用している。「ほかの買い物でお金を落としているから」と、心の中で言い訳しながら、今夜も試飲の紙コップを手に、小さな幸せを噛みしめている。【堀雅視】