発見が多い新規書店
ブックエースが今年6月にオープンしたTSUTAYA BOOKSTORE常陸太田は、人口が少ない地域に官民連携で出店したモデルとして注目されている。開店後は多くの来店客を集め、売上、利益ともに想定以上の成績を上げているという。
9月10日に開いた当社セミナーに登壇した奥野康作社長は、通常は赤字になる新規店開店初月から黒字を計上したと手応えを語った。出版物の売上は計画比で170%、文具・雑貨は400%など、トータルで計画の2倍になったという。人口4万3000人の市なので低めに見積もっていたとはいえ、うれしい誤算だったようだ。
そもそも書店の経営が成り立ちそうにない地域に、自治体の支援を得ることで600坪を超える複合書店を出店した。低い賃料や各種の補助金など、かなり手厚い支援である。書店を誘致したいという自治体側の熱意と、条件設定を含めたブックエース側の綿密な提案が可能にした。
人口減少と少子高齢化が進む地域でありながら、出版物で最も売れているのは児童書(出版売上の20%)だという。農業を営む高齢者は、持ち家で、年金と農業収入があり、想定していたより可処分所得があった。しかも、孫と一緒に徒歩で来店し、児童書や雑貨などを買う。近所に書店ができたからの消費行動である。そういう意味でも発見が多い新規店だ。【星野渉】
