出版界の救世主について
今週5日に本紙で「英国活字事情」を連載している清水玲奈さんによるセミナー「書店再生の〝救世主〟ジェームズ・ドーント氏の挑戦」を開催する。清水さんの連載テーマであるジェームズ・ドーント氏による書店再生の経緯などについて語っていただく。
これに先立って、清水さんはロンドンでドーント氏へのインタビューを行った。その内容は期待以上だった。書店の魅力の原泉から、仕入や店舗づくりの考え方、人材教育、そして日本の書店の話まで、とても刺激的な内容だ。
ドーント氏は、イギリスで1990年に自らの名前を冠した独立系書店ドーント・ブックスを創業し、7店舗を展開する。2011年に破綻寸前だった最大手書店ウォーターストーンズの経営を任され、店舗の「独立系書店化」によって再生。19年にはやはり経営危機に陥っていたアメリカ最大手書店バーンズ&ノーブルの経営を担い、同様の手法で復活させた。
ドーント氏はいまや、世界で書店にとどまらず、出版界の救世主として注目を集める。各地のブックフェアなどで講演やパネリストとしても引っ張りだこのようだ。
ドーント氏の話からは、書店がいまでも人々から支持され得るビジネスであることが伝わってくる。そして、なぜ日本ではそうなっていないのかもわかる。「外国の話」ではなく、「書店の話」として傾聴に値する。【星野渉】
