【出版時評】2026年1月27日付

2026年1月27日

文化庁による産業支援

 

 衆議院の解散総選挙となり、中道改革連合が旗揚げするなど、政治の世界は年始早々から慌ただしい。ようやく始まった書店などへの政府支援にどのような影響を及ぼすのか気になるところだ。


 昨年の「書店活性化プラン」発表からいろいろな政策が動き出しているが、プランの中には一見、書店とは関係なさそうな項目もある。例えば文化庁による「日本の活字文化の海外展開支援」などだ。


 文化庁というと、これまで出版業界との関係は、主に著作権だった。それが、最近は産業支援的な面からの政策を強めている。翻訳コンクールや海外ブックフェアでの紹介ブースなど、年々予算規模も拡大している。


 昨年12月に決まった今年度補正予算では、コンテンツ振興に関する予算が556・3億円と前年から倍増。このうち経産省に350・2億円、総務省に28・3億円。文化庁にも175億円という大きな予算が付いた。


 対象はアニメやマンガなどが中心になるが、文化庁は昨年12月に「活字文化グローバル展開協議会」をスタート。欧米でも人気が高まっている小説をはじめとした活字コンテンツの海外展開への支援をさらに加速させる。


 こうした政策は数年前から進められてきたが、書店活性化プランが追い風になっていることは間違いない。そういう意味でも追い風を生かすチャンスである。 【星野渉】