海外マンガ市場の拡大に期待
コロナ禍を機に、北米で日本のアニメ・マンガ人気が爆発的に広がったことはご存じの方も多いだろう。もちろんコロナ禍が〝好機〟だったわけではないが、我が国同様の巣ごもり需要であろう。
講談社は1960年代から英語出版に取り組んできた。来年が同社北米進出60周年だというが、10年前の50周年では、ニューヨークパブリックライブラリーで盛大なパーティーを開催したという。
北米ではかつて拡大したマンガ市場が一度縮小し、再び広がり始めるという流れがある。2005年にブックフェア「BOOK EXPO」を訪ねた時は、日本マンガを含めた「グラフィックノベル」が大きなスペースを占め、小学館・集英社の現地子会社VIZなども出展。大手書籍取次のイングラムがコミックスのカタログを作って書店への販促も始めていた。
それがリーマンショックの頃に急激に縮小。ケーブルテレビでの日本アニメ放映が減ったことが大きな原因とされた。それが配信サイトの普及によってアニメ配信が増えると再び増加に転じた。
かつての海賊版配信サイトが正規サイトになるなどしてアニメ・マンガの成長を支えている。マンガの海賊版が、出版社などの努力で健全な市場に転換できれば、さらに大きな可能性が見えてくる。そのことはマンガ以外の日本出版コンテンツの需要にも結び付く。【星野渉】
