「独立書店」強い思いと、厳しい状況
独立書店へのアンケート結果は、事業や売上の規模が小さいことや、多種多様な営業形態など、ある程度、事前に想定していた内容だったが、創業の理由や事業の目的などからは、書店を始めた人々の思いが伝わってくる。
回答していただいた書店は120店。対象とした1165店の1割強の回答率だが、自由記述の項目はしっかりと書き込まれているなど、真剣に答えてもらっており、創業者の強い思いが託されたという手応えを感じた。
詳細は本号1・4・5面から掲載する記事をご覧いただきたいが、やはり回答書店のすべてが1店舗で、売場面積が最大で39坪など、事業規模は小さいことがわかる。創業時期が代官山蔦屋書店や本屋B&Bが開店した時期以降に急増している点も「なるほど」と思わされる。
創業の理由には、当然とはいえ「書店をやりたい」という答えが最も多く、「近隣に書店がなくなった」「書店が必要だから」という答えも多くみられ、書店業に魅力を感じ、社会に残さなければならないと思う人々が始めていることをあらためて確認することができた。
一方で、経営状況については、厳しい実態が示される。続けていけるのか、不安を感じている人も多い。希望して書店を始めた彼らは出版業界の心強い一員だ。なんとか業界として支えていけないものかと思う。【星野渉】
