「独立書店」加入で書店組合の活性化を
奈良県書店商業組合の総会で、いわゆる「独立書店」に加入を呼びかけることが提案されたという。従来型の書店が減り続ける一方で、個人が創業したりする小規模な「本屋」は増えているので、良い提案だと思う。
韓国でも従来型書店が減るなかで、カフェ併設、雑貨販売やイベント開催などで地域との連携を強めた「独立書店」が増え、政府機関の24年統計で書店3064店のうち926店が「独立書店」だという。その結果、書店全体は前年より540店増えている。
アメリカでは過去16年にわたり独立系書店が増えている。画一的なチェーン書店がアマゾンの影響などで減るなかで、地域に密着した品揃えなどが支持されている。一時1600店ほどに減った独立系書店の団体ABAの会員数は3000店を超えた。
あえて「独立書店」と「独立系書店」を分けるのは、「独立系書店」が日本でいえば書店組合に加盟する多くの個人経営の書店と「独立書店」の双方を指す言葉だからだ。最近創業している個人書店も、古くから営業する街の書店も「独立系書店」なのである。
設立125年になるABAは、老舗と若い創業者が交流で刺激し合っているという。日本でも業界事情に通じノウハウを持つ組合加盟書店と、新しい感覚を持つ創業者が交流することは、書店組合、そして書店全体の活性化に結び付くに違いない。 【星野渉】