名古屋ではない尾張生まれ。「インフラ、交友関係など、そこで完結できてしまうから、居心地がいい人にはいい」と信頼する愛知出身の業界関係者が言っていた。妙に納得。そのまま愛知で暮らす選択肢もあったが、地元から出ることを選び、関西に住んでいた兄を避けるように東京の大学に進学◆三鷹台→千歳烏山→府中×2。上京以来、ずっと京王線沿いに住んでいる。京王線はとても快適で気に入っている。初乗り料金は140円と格安。酔っ払って終電間際に乗り過ごしたとしても、大月や熱海まで乗り過ごしてしまう諸先輩方と比べたら、はるかにダメージは少ない◆そんな京王線を象徴する本屋がなくなる。この業界にいるので感傷的な気持ちはないが、それでも啓文堂が長い東京生活の一部だったことは間違いない。ただ、違う屋号にはなるかもしれないが、生活圏の中に本屋があること、本屋が残ることがありがたい。 【山口高範】