【出版時評】2024年3月12日付

2024年3月12日

経済産業省が書店振興でPT

 

 経済産業省が「街の書店」を振興するためのプロジェクトチームを立ち上げるという。齋藤健経済産業大臣が閣議後の記者会見で発表した。齋藤大臣は「街の本屋さんを元気にして、日本の文化を守る議員連盟」を幹事長として引っ張ってきた。

 

 齋藤大臣は、当初「全国の書店経営者を支える議員連盟」だった議連の名称を、より多くの国民に理解されるためにと、現在の名前に変えることを提案。書店支援はあくまで文化政策として打ち出していくべきだという方向性も示した。

 

 議連は昨年春に関係省庁の対策も示した提言をまとめ、「骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針)」に「書籍を含む文字・活字文化」の推進が盛り込まれ、中小企業等の事業再構築の注記に「出版業及び書籍・雑誌小売業などの産業構造転換等も支援」が入った。自らが経産大臣に就任した斎藤氏は、会見で「書店振興も経済産業省で当然やれる話」と述べた。具体的な動きを期待したい。

 

 ひとつお詫び。2月27日付本欄で日販グループホールディングスの社長に内定した富樫建氏を就任時48歳で「取次史上最年少」と書いたが、昨年6月まで八重洲ブックセンター社長を務めた山﨑厚男氏がトーハン社長に就任したのは46歳だったと指摘を受けた。確認不足と不明を恥じ、お詫びします。【星野渉】