「七夕」は中国からの伝来とされていますが、五節句に数えられ日本独自の楽しいお祭りとなっていますね。♪ささのはさらさら、のきばにゆれる♪おほしさまきらきら~♪の、のきばが「まきば」と聞こえていた幼児期は牧場の緑を想像していました。
実際には軒端は軒下の端の方にという意味で笹を飾り、空をみあげ天の川に願いを込めて愛でる。といったことでしょうか。私は今も変わらず小柄な子供でしたが、いつも親に叱られるのは「おひつ」(炊いたご飯を収納する木の入れ物)の高さが丁度よく無意識で椅子代わりにちょこんと座ってしまうのです。
6歳ごろの「七夕」の短冊に「いすがほしい」と書きましたら、誕生日に小さな椅子が現れました。物置の奥から探し当てた何代もつづく手作り感たっぷりの、薄水色に塗られた背もたれもある素敵な椅子でした。さらさら、きらきらと懐かしい思い出が流れました。【田中良子】