【行雲流水】文化通信2022年9月13日付

2022年9月12日

 某月某日

 10月27日から始まる「秋の読書推進月間」に合わせて、小山薫堂さんにインタビューする。本紙掲載に先立ちプロローグを少々。

 「大学時代、書店はアイデアの着火剤みたいな場所でした。中学生の頃から書店は知識の充電をしてくれる場所でしたし、大人になってもそれは変わらない。並んでいる本を見るだけで刺激を受ける、発想のヒントをくれます。
 売れる本ばかり置くのではなく、店主の好みを感じるような、個性のある書店がおもしろいです。1冊の本に出会って人生が変わることもあります。本の力で人の分岐点を作っているんだという矜持を持って欲しいですね。そうすれば書店はもっと愛されるのではないでしょうか」。げにも…である。
 近日公開!本編をお楽しみに。

 

 某月某日

 日本図書普及・平井茂社長を星野社長と訪問。ひとしきり挨拶を交わしたあと、「ところで本はお好きですか?」と平井さん。「ええ、まぁ…」と口籠ると、次々と稀き覯こう本ぼんが披露される。果たして「読書」のことではなく、モノとしての「本」という意味なのであった。
 英国の造本デザイナーが皮装丁した限定本や、フランス在住の銅版画家・長谷川潔の『竹取物語』(1933年)など、初めて目にする逸品揃い。「自宅にあると家内に何を言われるか…(笑)」と、古書店などで蒐集した、文字通り"秘蔵のお宝"が社長室のウォールキャビネットにずらり並ぶ。新企画「私のタカラモノ」で是非ご紹介したい。カラーページかな…。

 

 某月某日

 総勢25名、軽井沢で恒例のバーベキュー。28年近くも『味の手帖』に連載する、私にとっては食の師匠でもあるマッキー牧元さんが総合プロデューサー。
 「ブリアンツァ」の奥野義幸シェフによる桃とブッラータのカプレーゼ/カキフライ/ガスパチョソーメン/ヤリイカとインゲン、エシャロットのバター炒め/ナマズの唐揚げ/焼きアボカドのチミチュリ/サルシッチャと芋、玉ねぎのパスタ/トマトのパスタ。
 続いて、銀座「バードランド」和田利弘さんが丸ごと焼くキャベツ・玉ねぎ・ピーマン・椎茸/牛挽肉はヨーグルト酵母パンでオープンサンドに。真打は、肉匠「サカエヤ」のLボーンステーキ。40日間熟成させた経産牛の肉には、八海醸造・南雲二郎社長が差し入れた「八海山・雪室三年熟成大吟醸」が相性抜群でありました。【代表取締役・山口健】