【行雲流水】文化通信2021年9月6日付

2021年9月6日

 某月某日

 「こどものための100冊キャンペーン」が好評裡に終了する。回収中のアンケートでは、書店から「ターゲットが明確でフェア展開がしやすかった」、図書館からは「早々に貸し出し図書が払底した」と。また、別途ヒアリングした出版社では、前年同月に一桁だった販売冊数が10倍になった絵本もあったという嬉しい話も。

 同時期に開催した1000円以上のレシートで応募できるプレゼント企画には13万件以上のエントリーが。金券以外ではカナダで飼育された「ハイライフポーク」のステーキとソーセージ、キユーピー・アオハタの「バラエティセット」、味の浜藤の「レンジで簡単焼魚」が人気で、子育てに忙しいママの姿が垣間見える結果に。

 某月某日

 ジャパンタイムズ・末松弥奈子会長兼社長のランチ対談に同席する。広島県福山市の常石造船の創業家出身で、ホストの宮内義彦さんはお父上と今も昵懇の仲とか。

 末松さん、2017年に同紙を買収し経営を刷新する一方で、ご子息が留学したスイスの名門ボーディングスクールに倣い、昨年4月広島県神石高原の広大な敷地に日本初の全寮制日英バイリンガルの小学校を開校。東京と広島で〝二足の草鞋〟を履く毎日を送る。

 ジャパンタイムズは月~金版のほか、毎日は読めないという人向けに週末版、さらに日本語の注釈・単語訳のある、英語学習のための「alpha」と、購読目的に合わせて商品化されている。地方紙や地域紙にも、ローカル情報満載の週末版があれば、大都市圏で購読する人もいるのでは?

 某月某日

 大日本印刷に北島義斉社長を訪ねる。前社長の義俊会長と亡父が親しかった関係で、長年にわたり「味の手帖」に広告をいただいていることもありご挨拶に伺った次第。この日は小社の取り組みなど、自己紹介に終始したが、昨今の小紙などの記事を読むにつけ、改めてお話を伺ってみたい。

 丸善ジュンク堂書店などリアル書店とネット通販や電子書籍をてがけるハイブリッド総合書店「honto」を傘下に収め、その膨大な購買データに基づく需要予測で出版社に対して適切な在庫数を提案できる。さらにPODで小ロットの在庫追加ができる技術もある。顧客接点、DX、印刷技術と、あらゆる武器を持つ同社こそが、課題多き出版流通を変革する主役になるとみている。