【行雲流水】文化通信2021年2月15日付

2021年2月15日

 某月某日

 茨城は水戸を本拠地に書店29店を展開するブックエースの奥野康作社長が来社。カルチュアコンビニエンスクラブ(CCC)に入社しFC事業の関東地区支社長在任中、東日本大震災で大きな被害を受けた同社に出資すると同時に出向、「懇願して」社長に就任する。社長業にやりがいを感じてCCCを退社。自身も出資し、書店コンサルティング事業ができるほど“稼ぐ”体質に転換させた。

 業績は好調。出店やリニューアル、新規事業への投資に伴う巨額の借入金は着実に減少しているというが、すべて順風満帆だったわけではない。「いきなりステーキ」では失敗、流行りモノは追わないという教訓を得る。最近では発達障害の子供たちの療育施設の展開で、「教育」を共有価値としたCSVに舵を切る、やり手である。

 某月某日

 旧知で、神田明神文化交流館の運営を統括する清原正光さんに、2018年末にオープンした神田明神文化交流館を案内してもらう。地上4階地下1階の館内には、着席で400、立食なら700名収容のホールをはじめ、スタジオやキッチンを供えたイベント会場など想像を超える充実ぶりに驚く。本殿と行き来できる“秘密トンネル”やVIPラウンジもある。

 神田明神は、縁結び、商売繁昌、除災厄除の神様3柱を祭神として祀っている。再び災厄に見舞われぬことを願い、新聞・出版業界の繁栄と互助の縁を結ぶ集いの場として打ってつけ、と膝を叩く。

 某月某日

 代官山IVYPLACEでニッカウヰスキーの創業者、マッサンこと竹鶴政孝氏の孫、孝太郎さん主催のランチ会。人脈豊富、人と人の縁を結ぶ素敵な先輩である。隣席のERIKOさんは、モデル活動の傍ら「定住旅行家」として世界各地の家庭に入り、その暮らしや生き方を発信している。一昨年秋に上梓した「楽しくてう~んとためになる!世界のトイレ」(JMAM刊)もその一つ。ふんだんのイラストで解説、面白い。

 マイナス60度にもなるシベリアでは閉めると開かなくなるから扉がなく、「お尻が丸見え」。う●こは一瞬で凍るので臭くなく菌も繁殖しないからとても清潔。標高6000mのヒマラヤでは、う●こは土に還らないので袋に入れて持ち帰るのがルール。世界一の森林国、フィンランドのトイレットペーパーは3枚重ねのものも、などなど・・・。尾籠な話で失礼。

【文化通信社 社長 山口】