【出版時評】進むレジ袋有料化とセルフレジ

2020年7月6日

 7月1日から、プラスチック製買物袋いわゆる「レジ袋」の有料化が始まった。書店でも無料で提供してきたプラスチック製の袋類を有料化しなければならなくなった。

 

 既に有料化している書店では、クレームなどはほとんどないという。スーパーなどで先行しているため、お客が慣れているのだろう。また、実施店では、提供する袋の量が大幅に減少し、コスト削減にも繋がっているようだ。

 

 ただ、店内で精算済みの書籍や雑誌を裸で持っていると、万引きと見分けがつかないという問題がある。書店によってはレシートや栞を挟んだり、むしろ積極的に紙袋に入れたり、ブックカバーをかけているところもある。

 

 コロナ下で営業を継続して多くの来店客があった書店で、セルフレジが大きな力を発揮したという。昨年秋にセルフレジを導入した名古屋市の三洋堂書店よもぎ店では、通常より多い来店がある中、非接触での精算ができたことで、レジでの"密"を防ぐことができ、従業員の精神的な負担を軽減できたそうだ。

 

 セルフレジもスーパーなどではお馴染みだが、書店は1回あたりの購入商品数が少なく、ほぼすべての商品にバーコードがついているなど、セルフに向いているとも。書店員がレジ業務から解放されることで、お客とのコミュニケーションが増えれば、リアル書店の存在意義を高められるかもしれない。

 

【星野渉】