【出版時評】世界で「本は不可欠」キャンペーン

2020年4月27日

 今年のゴールデンウィークは自宅で過ごす時間が長くなりそうだ。感染症による著名人の訃報も伝えられ、「オンライン飲み会」「オンライン帰省」「遠隔診療」といった聞き慣れない言葉がニュースに流れる。

 

 緊急事態宣言が全国に拡大されたことによって、書店の休業店数はさらに増えているとみられ、出版物の売り上げにどれほどの打撃を与えるのかが懸念される。多くの書店が閉鎖されたドイツでは、書籍市場が40%もマイナスになったといわれるのをはじめ、各国で出版市場が大きく落ち込んでいる。

 

 そんな中、「本は生活に不可欠」という呼びかけが、世界各地で上がっている。日本国内でも書店関係者から「本は生活必需品」といった発言が相次いでいるが、アメリカの出版専門誌『パブリッシャーズ・ウィークリー』は、4月24日の「世界本の日」に向けて「#BooksAreEssential」(ハッシュタグ本は必須)というキャンペーンを始め、世界中の人々に参加を呼びかけている。賛同者が顔の前に本をかざした写真を投稿するという呼びかけだ。

 

 これから日本の人々は長い休みを「Stay Home」で過ごすことになる。そんな日々を豊かにするために、出版業界として、魅力的な本や読書体験などを交換するような取り組みを提案しても良いのではないだろうか。

【星野渉】