【つぶや記】文化通信2020年3月9日付

2020年3月9日

 旧聞になるが、先月12 日、菅義偉官房長官が記者会見で品薄状態が続くマスクについて「24 時間生産などの態勢強化で毎週1 億枚以上供給できる見通し」と述べ、私も周囲もまもなくマスクを手に入れることができると胸をなでおろした。が、その後の品薄状況はご承知の通り。

 

 “週に1 億枚”と聞いて“すごい数”と漠然と安心してしまったが、例えば30 枚を1 パックとすると約333 万パック。これを販売するドラッグストア、スーパーがそれぞれ2万店強、コンビニ5 万5 千店、ホームセンター4800 店、概算計約10 万店で割ると1店当たりわずか33 パック。入手困難がうなずける。

 

 数字の表面的な大小や増減に惑わされず、時系列推移、平均や単位当たりの数値との比較などにより、その意味するところをしっかり捉えたい。

【櫻井】

 


 

 もう10 年位前に友人のカメラマンと「プレスカメラマンストーリー」という展覧会に行った。1930 年代から70 年代にかけ、活躍なさった新聞社の5 人の報道カメラマンの写真展だ。

 

 現役新聞記者の話でとても印象に残ったのが「僕たち文章を書く記者は、本当は現場にいなくったって、仮に人から話を聞いても書けるじゃないですか。カメラマンはそうはいかない。絶対その場にいなければ」と述べられていたこと。とにかくドキュメンタリー写真の迫力に圧倒されたことを思い出す。

 

 ちょうど同じ時期、「豚インフルエンザが世界7か国で猛威」の記事が朝日新聞のトップに掲載されていた。その頃からパンデミックという言葉が飛び交って、スペイン風邪の症状と比較されていた。どこにいったんだ?豚インフル。10 年くらい聞かないが。

【岩元】