【つぶや記】文化通信2020年2月3日付

2020年2月3日

 現名称では最後となる大学入試センター試験が終わり、来年から暗記、知識よりも読解、思考力重視の大学入学共通テストに変わる。ただ、採点者のスキルや大臣の「身の丈発言」が障壁となり、国語と数学の記述式、民間の英語試験導入が見送られたことは記憶に新しい。

 

 受験生に混乱を招いたが、「書く力」を武器とし、読者に「読む力」を養ってほしい新聞に携わる側としては、受験改革は歓迎だろう。しかし、「権力の監視」を標榜するメディアとしては大臣発言を追及しないわけにはいかない。紙面づくりに苦慮されたのでは。

 

 古株の新聞人が「ゆとり世代が新聞社に入り、低い読解力で取材する。臆面もなく受験ニュースを語れるものだ」と、皮肉にしては手厳しい言葉を放っていた。小欄を書く手も震える。まだまだ読解力向上に努めなければ。

【堀】

 


 

 デスクに、1 枚の写真を飾っている。DDTプロレスリングの代表・高木大社長の写真だ。人差し指を立て、高々と天を指す右手、左手にはチャンピオンベルトとマイク。昨年11 月に伊野尾書店で行われた「本屋プロレスagain」に、客兼スタッフ兼記者として参加したとき、店長の伊野尾宏之さんにいただいた生写真だ。

 

 仕事が思ったように進まないとき、この写真を見ると、本屋プロレスでの高木大社長の姿を思い出し、「もう少し頑張ろう」と思える1 枚だ。

 

 誰しもそういう存在がいるだろう。飽きっぽい性格で、中高校生のころはハイロウズやオアシス、上京した大学時代は、ホラー映画の巨匠に心酔、なんていう時期もあった。その対象は、年を経るごとに変わる。それでも、かつての「今」があって、今の「今」があるのだと、「不惑」を前にして思う。 

【山口】